京都府南部、京田辺に位置する「一休さん」の通称で親しまれる臨済宗大徳寺派の古刹「酬恩庵 一休寺」で、一休禅師が起居していた名勝庭園茶室「虎丘庵」の秋季特別拝観を開催する。
「酬恩庵 一休寺」の歴史
「酬恩庵 一休寺」の歴史は、日本臨済宗の勃興に多大な影響を与えた南浦紹明(大應国師)が禅道場を建てたことに始まる。
一時荒廃するが、一休宗純が康正年中(1455〜6年)に南浦紹明の遺風を慕って堂宇を再興し、師恩に酬いる意味で「酬恩庵」と命名した。
一休禅師は後半生をここで過ごし、大徳寺住持となった際も酬恩庵から大徳寺へ通った。禅師はこの場所で88歳で示寂、遺骨は境内に葬られた。
足利義政が建てた本堂や前田利常が再興した方丈が重要文化財に指定されているほか、方丈を囲む3つの庭園や、今回特別公開をする「虎丘庵」の庭園は名勝に指定されている。
「虎丘庵」について
「虎丘庵」は、京都東山の麓に在ったものを一休禅師が74歳の時に応仁の乱のため現在の場所に移築したものだ。草庵造りの静寂穏雅な建物で、屋根は檜皮葺で葺かれている。
周囲の庭園は禅院枯山水様式のもので、特に東部は七五三に配石をしており、大徳寺真珠庵の七五三庭園と同一手法だ。
作者は侘茶の祖、村田珠光と伝えられており、「虎丘庵」はその当時、珠光をはじめ金春禅竹などたくさんの文人が集う文化サロンだった。
今回の特別拝観では、通常非公開の「虎丘庵」を、住職の案内で拝観し、庫裏にて住職と共にお茶で一服することができる。
特別拝観 概要
特別拝観は、11月17日(金)、19日(日)、22日(水)、24日(金)、25日(土)、26日(日)、27日(月)、29日(水)、30日(木)と12月3日(日)の計10日開催。
開始時間は、各日11:00~、13:00~、14:00~、15:00~の4回で、所要時間は約40分程度だ。定員は各回10名、志納料は一人3,000円で、拝観料は別途必要となる。
内容は、約20分の住職による「虎丘庵」の案内と自由拝観の後、庫裏にて住職と歓談しながら喫茶。喫茶内容は奥西緑芳園「芳草の白」の抹茶、萬々堂「通無道」一休寺オリジナル菓子、奥西緑芳園「特撰ほうじ茶」となっている。
予約は10月1日(日)より電話にて受け付けている。なお、通常拝観は9:00〜17:00、宝物殿の拝観は9:30〜16:30に実施している。
場所や予約の連絡先、通常拝観の拝観料などの詳細はホームページでチェックしよう。
普段非公開となっている「虎丘庵」を拝観できるこの機会に、「酬恩庵 一休寺」に訪れてみては。
■酬恩庵 一休寺
住所:京都府京田辺市薪里ノ内102
HP:http://www.ikkyuji.org/experience/
(yukari)