宮古タクシー事業協同組合と電脳交通は、宮古タクシー事業協同組合が11月より運用を開始した「宮古島TAXIアプリ」と、電脳交通のクラウド型タクシー配車システム「DS」の連携を開始した。全国的にも珍しい地域独自での配車アプリの運用は、オーバーツーリズムによるタクシー不足解決の一手として期待されている。
配車依頼を複数のタクシー会社が受注
宮古島では、コロナ禍中の車両削減やタクシー運転手の離職などの要因が重なり、今現在も、移動の需要に対してタクシーの運行台数が足りない状況にある。一方、宮古島を訪れる観光客は、コロナ禍前と同水準に戻りつつあり、観光客の主な移動手段であるタクシーには効率的な運用が求められいる。
この課題を解決すべく、宮古タクシー事業協同組合が中心となって働きかけ、宮古島の11社(※)のタクシー事業者に電脳交通のクラウド型配車システム「DS」を導入するに至った。さらに、配車システムと配車アプリを連携させることで、アプリからの配車依頼を複数のタクシー会社が受注することを可能とする宮古島独自のタクシー配車アプリ「宮古島TAXIアプリ」が実現した。
オーバーツーリズム対策に取り組む
地域で独自の配車アプリを共通運用することにより、1社では受けきれない配車依頼が来た時も、同じエリアで営業する他のタクシー事業者による代替が可能となり、利用者を待たせることがなくなる。このように宮古島では、複数社の連携によって、島内のタクシーの運行効率を最大化させ、移動の需要に応じたタクシーの供給を賄う仕組みで、オーバーツーリズム対策に取り組む。
今後、宮古タクシー事業協同組合は、宮古島の観光協会、飲食店組合、商工会議所とも連携を図り、宮古島を訪れる観光客、そして、島民にもなくてはならない移動のサポートツールとして周知し、「宮古島TAXIアプリ」の運用を通じ、宮古島に貢献していくことを目指していくという。
代表のコメント
宮古タクシー事業協同組合代表理事の下地隆之さんは、「(前略)『宮古島TAXIアプリ』を利用することによって、宮古島で営業する11社のタクシー事業者のタクシーの中から、お客様に最も近いタクシーを配車できるので、お客様にとっても良い事だと思います。今後も、地元のお客様のみならず観光客やインバンウンドのお客様に対し安心・安全な運用を心掛け、地域の皆さんと一緒に盛り上げて行きたいと思います」とコメント。
また、電脳交通代表取締役社長の近藤洋祐さんは、「(前略)タクシー不足が発生している時間帯、場所、顧客属性などを正確に分析し、既存の車両を最大活用する状況を作り出すことで、供給不足問題を一定緩和できるという仮説を立てました。今回、地域の空車情報を共有し、スマホアプリからユーザーにとって最適な配車リクエストを行うことで、利用者が従来よりも格段に高い確率でタクシー配車が可能となります。本プロジェクトを通じて、宮古島タクシー事業者の皆様とともに、タクシー不足問題の解決を目指したいと思います」とコメントしている。
宮古島を訪れる際は「宮古島TAXIアプリ」を利用してみては。
※参加事業社(順不同・計11社):丸一タクシー/丸多タクシー/協栄タクシー/大平タクシー/開発タクシー/Azリゾートサービス/日光タクシー/三交タクシー/まるちく/かりゆしタクシー/新生タクシー
(江崎貴子)