フリースクールまいまいは、10月27日(金)~29日(日)にオータムキャンプを実施し、キャンプの様子を報告書としてまとめ、参加者に配布の上で、ホームページ上にアップした。
学校と習い事に追われがちな都会の子どもたち
学校が終わると日々の習い事へ走り、家庭では遅い晩ご飯を食べてなんとか宿題を終わらせて布団へ滑り込む。そんな生活を送っている子どもが多いのは、そろそろ都心部だけの状況ではなくなっているのかもしれない。
街では暗い夜道で携帯を片手に大きなカバンを持ち歩く子どもを見る機会が増えた。
忙しい日々の中、自分はどこへ向かい、何を目指しているのか。それを見失っていると気づいてすらいない子どもも多いのではないだろうか。
フリースクールまいまいが目指すもの
フリースクールまいまいは2002年に伊豆大島で設立された。代表鴻池友江氏は子どもと生活を共にし、体験活動を通じて伴走をする、という目標をもってフリースクールを運営。いくつもの体験活動の中で、青い海、澄んだ日差しの下で行われる夏の子どもキャンプは毎年継続される人気行事となった。
時を経て2023年、フリースクールまいまいは渋谷区に拠点を移し、全ての、場所を必要とする人に対しての居場所活動を再スタートさせた。時に工作やボードゲーム、大人向けには書字やモノづくりなどの手作業とおしゃべりなど癒しの時間を提供している。
島でキャンプ体験をすることがその情緒にもたらす利益の大きさを実感してきている鴻池氏は運営再開間もない時期ながら、子どもキャンプである、オータムキャンプの実施に踏み切った。
2泊3日で行われる共同生活
オータムキャンプの行先は新島。真夏を避け安定した気候の下、船内1泊、キャンプ場1泊、合計2泊3日で行われる共同生活だ。
キャンプ場では、自分たちの手でテントを張り、食材を洗って切る、火をおこす、こねる・焼く、そして波の音を聞きながら眠るなど実にさまざまなことを経験する。
キャンプの前半こそ、目先の芝生に気分も盛り上がり、走り回って作業が疎かになる様子もあったが、食事の回を重ねるごとに、こどもたちは今自分が出来る行動を積極的に実行することが多くなったように思うそうだ。
帰りの船の中では、新発見に貪欲になり、友達の良いところを発見し互いを認め合う姿が見られたという。多くを言葉で説明せずとも、子どもたちが非日常のライフスタイルを肌で感じ、楽しんでくれたようだ。
小4~中1の子どもたちが参加
オータムキャンプに参加したのは、渋谷区・練馬区・中野区から来た小4~中1の子どもたち。
スタッフの大人は過去に伊豆大島でキャンプ実施に携わった人、そしてその頃はキャンプ参加者だった青年、さらには新島からも大人や高校生の助っ人、駆けつけ参加があった。
今後の展望
コロナ禍で「ソロキャンプ」は人気が出たようだが、今回子どもを引き連れて島へ出向くというグループが見当たらず、社会が子ども達の経験を広げるチャンスを減らしてしまったことをフリースクールまいまいは、痛感したという。
新型コロナウイルスの有無関係なく、参加者の安全配慮は運営者の責務だ。それよりも自然の中に身を置いて直感的に自分の心が安定する方法を選べる力を身に着けることの重要性を、今後もフリースクールまいまいは、団体として伝えていきたいと思っているそうだ。
オータムキャンプの様子の報告書と共に、フリースクールまいまいの今後にも注目していきたい。
報告書(下段にあり):https://irukayainfo1.wixsite.com/home/blank-1
(角谷良平)