天文関連プロダクツの開発会社であるアストロアーツは、Windows用天体撮影ソフト「ステラショット3」を、12月13日(水)に発売した。天体望遠鏡やデジタルカメラなどの機材をトータル制御し、天体写真を楽しく撮影できるPCソフトの決定版だ。
価格は、パッケージ33,000円(税別)/ダウンロード28,350円(税別)。
純国産のオールインワン天体撮影ソフト
「ステラショット」は、天体の位置計算・星図表示と、赤道儀やカメラ・オートガイダーなどの機器制御をまとめて行う、純国産のオールインワン天体撮影ソフト。望遠鏡での天体導入からピント合わせ、フィルター選択、構図の調整、撮影や電視観望まで、各機器の制御ソフトを個別に使っていては実現できない統合制御と高度なアシスト機能を備えている。
新機能「ライブスタック」
今回、約4年ぶりのバージョンアップで搭載された新機能「ライブスタック」により、撮影したその場でコンポジットしながら天体の画像を楽しむ本格的な電視観望が可能になった。CMOSカメラだけでなくデジタルカメラにも対応し、その場で画像のレベル調整やカラー調整を行いながら、天体の姿をモニター上に鮮明に映し出す。
また、ダーク補正やフラット補正にも対応しているので、ノイズの無いフラットな画質での電視観望が可能だ。
さらに、スタック中の追尾ズレを自動補正する機能によって、厳密な極軸合わせもオートガイドも必要ない。もちろん経緯台による視野回転にも対応。撮影画像から雲を検知してスタックから除外することもできる。
今回搭載する星図は、最新の天文シミュレーションソフトである「ステラナビゲータ 12」と同等の星雲・星団カタログに対応しており、夜空の様々な天体を次から次へと導入しながら深宇宙の姿を楽しめる。
オートフォーカス
また、電動フォーカサーとカメラの連動制御によるオートフォーカスを実装。恒星を自動検出し、フォーカス位置を移動しながら映像を判定してジャストとなるピント位置を自動調整する。
星の大きさ(半値幅)を使ってピント合わせを行う通常のフォーカス判定アルゴリズムに加え、フォーカスの評価に「コントラスト」を使うことで月面のように星像の無い視野でもオートフォーカスを可能にした。
機器制御の充実
さらに、新たにサポートしたカメラ等の機器を加えて延べ100以上の機材に対応。それぞれの機材についてもより細かな制御が行えるようになった。
CMOSカメラではオフセット設定や冷却カメラの温度上昇制御(徐温)、防露ヒーター制御などを追加し、プライムフォーカス(鏡像)にも対応した。望遠鏡のコントロールでは、ディザリングの枚数指定、一部機種ではホーム・パーク制御も可能になっている。
そのほか、従来からの機能の多くも、そのUIや機能を改善している。専用コントロールボックス「GearBox」24,000円(税別)は、従来のWi-Fi接続機能に加えて、家庭のLANへの参加やLANケーブルを使った高速データ転送のサポートなど、すでに「GearBox」を持っている人もファームウェアのバージョンアップによってさらに使いやすくなった。
同時発売の「ステラショット3公式ガイドブック」4,000円(税別)は、フルカラーの272ページ。天体撮影の基礎知識から機材選び、機材の設置方法をはじめとして、ステラショットを使っての極軸補正、ピント合わせ、天体の導入、撮影にいたるまでのすべてを解説している。オートガイドの方法や「GearBox」の設定方法なども詳しく掲載されている。
製品情報ページからはすべての機能を30日間無料で利用できる「試用版」もダウンロードできるので、「ステラショット3」の機能を試してみては。
製品情報ページ:https://www.astroarts.co.jp/products/stlshot3/index-j.shtml
(鈴木 京)