日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、神奈川県旧津久井町(相模原市)を写真とともに紹介する。
Vol.136/神奈川県旧津久井町(相模原市)
城山ダムを渡り、「津久井湖城山公園 花の苑地」にやってきた。目と鼻の先、相模川を挟んだ対岸の公園は「津久井湖城山公園 水の苑地」だったので、水から花へ、名称が僅かに変わっている。
花の苑地で駐車場にスーパーカブを停めようとしたところ、警備員のおじさんが交通整理をしていた。確かに、公園によっては交通整理の方がいてもおかしくない。しかし、ぼくの前を走る車がどんどんと駐車場へ吸い込まれていくので、いつもとは違う何かがあると察した。そしてカブを停めて気づいた。訪れた日はここでイベントが開かれていたのだった。
プログラムを読むと、新緑の季節と祝日を掛け合わせた地元のイベントだった。今回が第2回目にあたると。プログラムの中にはプロレスもあるらしい。ユニークでいいなあと思ったら、MCの明るい女性の声が聞こえてきた。声の方へ近づいてみると、まさにプロレスリングが会場になっていたのだった。
「ご来賓のみなさま、プロレスリングの横にお集まりください〜」
リング上でプロレスを見る時間とは合わなかったものの、ぼくが訪れた時間帯は市議会議員の方が自己紹介をしていて(おそらく)、揃ってプロレス調なのだった。
「みなさん元気ですかあっ!」
リングにあがると、そういうテンションになるのだろうか。
その後、会場を離れて津久井総合事務所の周辺を散策した。住宅街はとても穏やかな時間が流れていて、相模川の対岸の山並みがよく見えて気持ちよかった。
豊かな水と緑があり、穏やかな暮らしのある場所だ。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式Twitter:https://twitter.com/katsuo247
仁科勝介公式Instagram:https://www.instagram.com/katsuo247/