日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、千葉県旧成東町(山武市)を写真とともに紹介する。
Vol.154/千葉県旧成東町(山武市)
旧成東(なるとう)町は、山武市役所が位置しているまちだ。最初に「波切不動院」として地元の方々に親しまれているお寺を訪れた。正式名称は、「成東山不動院長勝寺」。海抜30mほどの石塚山の中腹にあるお寺だ。
下から寺院を見上げるだけでも立派で、石段を焦らず登って参拝した。すると、その場所が展望台のようにもなって、成東のまちなみを見渡すことができた。海に向かって景色はひらけている。
そばにはとても立派なイチョウの木が佇んでおり、晩秋になれば見事な姿になるのではないかとも思った。
次に、本須賀海水浴場へやってきた。広大な九十九里浜を構成する砂浜のひとつで、砂浜の長さは500mほどある。
駐車場に着くと、ものすごく派手な車と、クリエイティブそうな雰囲気の人たちが集まっていた。どうやら撮影があるのだろう。九十九里浜では、そういったシーンも少なくはないのかもしれない。
砂浜は曇り空ではあったものの、どこまでも広い海の景色には爽やかさを感じるばかりだ。そして、何よりも驚いたのは、遠くで優雅に馬が走っていたことだ。最初は見間違いかと思ったものの、やっぱり馬が走っている。人間ならゆっくりジョギングするような余裕を持ったスピードで、海辺を駆けていた。近づきはしなかったが、その姿はとても美しかった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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