日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、千葉県旧光町(横芝光町)を写真とともに紹介する。
Vol.158/千葉県旧光町(横芝光町)
旧光町は2006年に旧横芝町と合併し、横芝光町となった。地名同士がくっつくということは、良い関係性だったのかなあと想像するわけだが、互いのまちの距離も近く、旧横芝町の横芝駅から、旧光町に位置する現在の横芝光町役場まで、約1.5kmだった。まちの境界線は主に栗山川が担っており、その左岸に位置するのが、旧横芝町といえる。
今回は、横芝光町役場近くとまちなみを散策した。町役場は前回の旅でも訪れており、たとえば体育館の正面の写真を撮ったなあということも、ふと思い出した。それは過去の写真が残っていて、それを見返しているうちに、徐々に記憶になっていったからだと思う。だから懐かしかった。
とうもろこし畑を見つけて写真を撮ったとき、麦わら帽子をかぶった農家のおじさんがいて、少し会話をした。シワと表情のやわらかいおじさんだった。
「出身は香川県。ここにやってきて22年かな。旅は今のうちにやった方がいいさ。だって、大変だろう?」
旅をやりなさい、と言われることは多い。でも、旅は大変だろう、と言われることは少ない。それを言えるのは、長い旅をしたことがある人だ。この地で汗を流しているおじさんも、いろいろな世界を見ているのではないか。そう感じたのだった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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