日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、千葉県旧野栄町(匝瑳市)を写真とともに紹介する。
Vol.160/千葉県旧野栄町(匝瑳市)
2006年に旧八日市場市と合併して匝瑳市になった、旧野栄町へ向かう。野栄という地名も、元々は「野田」と「栄」の両村が昭和29年に合併して、野栄町となっている。少しずつ、地名が進化していくような感じだなあ。
まずは野栄ふれあい公園へ向かった。目立つ赤色の長い滑り台があり、大人でも滑って良いのなら滑りたいぐらいだ。もちろん、ひとりなので自重するしかない。近くのベンチでは、地元のおばあちゃんたちが話に花を咲かせていた。
野栄ふれあい公園は太平洋まで3km弱の距離ではあるけれど、周辺の草木は内陸側に若干傾いている。やはり海風が強く、ここまで影響しているのだろうと。それでも周囲には水田が広がっていて、今までの傾向と似たように、九十九里浜の沿岸は平野部の稲作地帯が多いと感じられる。
そして、堀川浜へ向かおうとしたものの、ちょうど工事中で中に入ることができなかった。そこでUターンし野手浜海岸に向かった。野手浜では海の近くに木々が生えており、これまで訪れた九十九里の砂浜ではそうした緑が見られなかったところもあったので、場所によって風景が変わるのだと感じられる。波打ち際に近づき、海の広さに立ち尽くすような気持ちで、波の音を聞いた。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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