神奈川県建築コンクール、イタリアのA’DESIGN AWARDを受賞した建築空間で、古美術と現代アートのハイブリッド企画展を開催しているギャラリーQuadrivium Ostium(クアドリヴィウム・オスティウム)は、3月14日(木)~26日(火)の期間、タイラクルカ氏による個展「レてん」を開催する。
注目の新進気鋭のアーティスト
タイラクルカ氏は、2022年から作家活動を開始。デビュー早々、昨年2023年にはACTアート大賞最優秀賞受賞をはじめ、数々のアワードで賞を獲得している今注目の新進気鋭のアーティストだ。
Freedomから生まれたDogシリーズ
タイラクルカ氏は、Freedom(生まれながらに持っている自由)に対する自身と他との認識のズレから発した「問い」を作品に表現している。「問い」は身近な犬に向けられた。「犬」をモチーフとして描いた作品が多いのもうなずける。作家は、人間が「思い込み」で認識している犬に対する不自由さやふびんさへの疑義から、犬を「限りある自由を生きる生き物」と結論付ける。そして、自由、家族愛、母と子、恋人の愛などをテーマに思索を重ねてきた。
作品の特徴
作品の特徴は、かすれつつも伸びやかな筆致のストロークが、画面に動的な流れを生み出している。重要なモチーフである犬は、大胆な構図で配置され、圧倒的な存在感と生命力を放っている。哲学的なテーマを扱いながらもユーモアさえ感じさせる生き生きとしたエネルギーに満ちている。
古美術コレクションとタイラクルカ作品を並置展示
ギャラリー名のQuadrivium Ostiumは「十字路の入り口」の意。過去を象徴する古美術コレクションと今を表す現代アーティストの作品とのコラボ企画展覧会を開催している。古美術は、現代アーティストに新たな刺激を与え、アーティストらにとっては過去から現在、未来への挑戦となる。今回のタイラクルカ展でも、ギャラリーの古美術コレクションにインスパイアされた新作が出展される。
「木彫獅子狛犬(室町時代)」
「海獣葡萄鏡(唐時代)」
「色絵鴨小香炉(江戸時代)」
展覧会タイトルについて
今回のタイトルの「レてん」は、漢詩の記号にちなむ。作家のアイデアからつけられた。古美術の歴史的な物語をたどり、過去に遡りつつ今、眺める風景からどのような存在が立ち上がってくるのかを楽しんでみては。
タイラクルカ氏コメント
タイラクルカ氏は「レ点。漢文を読む際に用いられるこの記号は、すぐ下の文字を先に読んでから上の文字を読むことを指示する記号である。
この展覧会の作品群は、同じ空間に飾られる骨董品の歴史的共鳴を受けて作られている。ぜひその物が持つ過去を知り、今ある作品を鑑賞してほしい」とコメントを寄せている。
この機会にタイラクルカ氏による個展「レてん」へ足を運んでみては。
■タイラク ルカ 個展「レてん」
開催期間:3月14日(木)~26日(火)
営業時間:11:00~17:00※最終日3月26日(火)は13:00~18:00
休み:3月21日(木)
予約:不要
入館料:無料
会場:Quadrivium Ostium
住所:神奈川県鎌倉市浄明寺5-4-32
公式サイト:https://quadriviumostium.com/
(角谷良平)