日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、千葉県旧関宿町(野田市)を写真とともに紹介する。
Vol.178/千葉県旧関宿町(野田市)
県の最北端に位置する、旧関宿町を訪れた。まちの北側には江戸川と利根川の分岐点もあり、ここから川が分かれているのかと思うと感動した。やはり、近世は江戸川と利根川の舟運の要衝とされたようだ。さらにそのすぐ南側には関宿城跡が佇んでいて、まずはそこまで訪れてみることにした。訪れた日が月曜日で、関宿城博物館は休館日だったものの、高台に建つ城跡はカッコ良さがあった。サラリーマンの姿をした男性が、ベンチに座って電話をしていたのも印象的だ。ちょっとした羽休めと、仕事が混ざっているようで。
その後、関宿城跡から10kmほど南に下って、関宿市街地を散策した。同じ旧関宿町でも距離が離れていて、縮尺の小さなチリのような地形だなあと感じられる。市街地は穏やかな暮らしそのもので、落ち着いた時間が流れていた。まだ数ヶ月先の花火大会のポスターも貼られていて、確かに川沿いなら、花火大会も風情があるだろうなあと。
そして、旧関宿町を経て、千葉県の旧市町村巡りは最後になった。たとえば、ごく自然に旅をしていたら、野田市において旧関宿町まで来れなかったかもしれない。そうやって出会った新しいまちが数多くあり、そのことがありがたいと思うばかりだ。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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