日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、茨城県旧協和町(筑西市)を写真とともに紹介する。
Vol.184/茨城県旧協和町(筑西市)
この日はすでに、古河市の旧総和町、筑西市の旧三和町を訪れていたので、旧協和町を目指しながらも、「和」という地名が混同しそうであった。元々はそれぞれのまちが独立して存在していたわけであり、茨城県の風土を感じられる。
まずは旧協和町の小さな商店街を抜けて、JR水戸線の新治(にいはり)駅へ向かった。平坦なまっすぐな道の先に、青色の駅舎が静かに佇んでいた。ここから水戸までは44kmほど、電車で1時間の道のりだ。
新治駅からは、協和支所へ向かう。ひとつ前に訪れた旧明野町の支所と同様に、1階建てだった。奥に山が見えないので空が広く感じられる。
そして、周辺のまちなみを歩いているときに、筑西市の看板を見つけた。
「打ち破ろう!食塩信仰 重労働に塩を多くは迷信です」
とあって、ちょっとびっくりした。いろんな看板に出会うことはあるけれど、食塩についての看板は初めてだ。確かに、塩分の取りすぎはいつでも良くないですよね。
その後、パン屋さんを見つけたのでお店に入った。甘さにつられて、バナナクリーム、カステラサンド、フレンチトーストの3つを買って食べた。まずは安定のバナナクリーム。そして、カステラサンドはいちごジャムが塗られていて、自然なサンドイッチのようだった。フレンチトーストもうまい。旧協和町では、塩分よりも糖分なのであった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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