日本気象協会が推進する「熱中症ゼロへ」プロジェクトは、本格的な暑さを迎える前に、事前に体を暑さに慣れさせる暑熱順化(しょねつじゅんか)(※)の大切さについて広く知ってもらうことを目的に、各地域で暑熱順化が必要なタイミングの目安となる「熱中症ゼロヘ 暑熱順化前線 第1回」を、「熱中症ゼロへ」プロジェクト公式サイトで、4月9日(火)に公開した。
「熱中症ゼロへ」プロジェクトについて
「熱中症ゼロへ」プロジェクトは、熱中症にかかる人を減らし、亡くなってしまう人をゼロにすることを目指して、日本気象協会が推進するプロジェクト。
活動12年目となる今年は、「地球沸騰化時代の熱中症対策」をテーマに、熱中症の予防啓発活動を実践。気象災害の1つである熱中症への防災意識を高め、暑さに備えるための情報発信を強化していくという。
暑熱順化を始めるタイミングの目安を発信
「熱中症ゼロへ 暑熱順化前線」は、軽い運動や湯船につかる入浴などで意識して汗をかくことで、体を暑さに慣れさせる暑熱順化を始めるタイミングの目安を示している。
暑熱順化ができていないと、体の熱をうまく外に逃がすことができず、熱中症になる危険性が高まるという。暑熱順化には個人差もあるが、数日から2週間程度かかるといわれている。
今年の夏の気温は全国的に平年より高い見込み
2023年は1898年の統計開始以降最も暑かった夏で、6~8月の平均気温は最も高くなった。
今年も、春まで続くエルニーニョ現象の影響などにより、日本付近は暖かい空気に覆われやすく、夏の気温は全国的に平年より高い見込みだという。
4月から最高気温が30℃以上となる真夏日が出る可能性もあり、早めの熱中症対策が求められる。
多くの人が暑熱順化をできていない、4月のタイミングでの急な暑さにはますます注意が必要で、熱中症の予防・対策が必要な時期も年々早まっているという。
無理のない範囲で汗をかくことが大切
暑熱順化をするには、無理のない範囲で汗をかくことが大切だ。軽い運動や湯船につかる入浴など、意識して汗をかくことが対策につながる。
また、暑熱順化と併せて、本格的な夏を迎える前からエアコンの点検や試運転を行う、暑さ対策アイテムをそろえるなど、熱中症は気象災害であることを意識し、「備える」ことも重要だという。
「熱中症ゼロへ」プロジェクトの「暑熱順化」コンテンツページでは、印刷して暑熱順化の知識を深めることができる「暑熱順化ポイントマニュアル」も掲載されている。
さらに、「熱中症ゼロへ」プロジェクトでは、暑熱順化開始の目安となるタイミングとあわせて、暑熱順化の具体的な方法を公式サイトやX(旧Twitter)の公式アカウントで随時発信していく。
なお、6月上旬ごろ、今後盛夏の暑さを迎える前に「熱中症ゼロへ 暑熱順化前線 第2回」が発表される予定だ。
早めの熱中症対策のために、「熱中症ゼロヘ 暑熱順化前線 第1回」を参考にしてみては。
熱中症ゼロヘ 暑熱順化前線 第1回 URL:https://www.netsuzero.jp/le15-zensen
熱中症ゼロへ プロジェクト X(旧Twitter)公式アカウント:https://twitter.com/netsuzero2013
※暑熱順化について https://www.netsuzero.jp/learning/le15
(yukari)