三重県名張市の「赤目滝水族館」が、4月20日(土)にリニューアルオープン。敷地内に本物の滝があり、野生の天然記念物たちと会える巨大水族館だ。
4月20日(土)9:00~は、オープニングセレモニーも行われる。
日本サンショウウオセンターが水族館へリニューアル
1982年から赤目四十八滝の入山口に設置されてきた「日本サンショウウオセンター」は、国の特別天然記念物のオオサンショウウオなどを展示してきた。
今回、水族館プロデューサーの中村元さんの助言により「赤目滝水族館」として生まれ変わることに。
22歳の朝田光祐さんが初代館長に就任
初代館長に就任したのは、22歳の朝田光祐さん。中学校からニュージーランド・クライストチャーチに留学し、高校途中で帰国。コロナ禍をきっかけに生物の勉強に目覚め、専門学校で知識を習得。
2023年には赤目四十八滝渓谷保勝会に就職し、日本サンショウウオセンター飼育主任に。今回、赤目滝水族館館長に就任した。
朝田光祐さんは、「赤目滝水族館は従来の水族館とは異なり、目の前の赤目四十八滝渓谷が水族館の一部であると考えています。(中略)入山される皆様には、ここ赤目滝水族館から始まる渓谷にいきづく命の営みを知っていただくことで、各々の渓谷歩きが更に豊かな時間になることができればと願います」とコメントしている。
スタッフ自らが採取した生き物を展示
リニューアルに向け休館中の3~4月にかけて、スタッフ総出で魚類や両生類、水生昆虫など、渓谷や里山の生き物を採取したという。
それぞれの水槽には渓谷内の流木や砂、石、田んぼの泥、杉の葉などが入っており、生物が棲む環境を再現している。
玄関部分ではまず、水族館に入る前に来館者が世界観に没入できるよう「渓谷内の植物と自然」をテーマに渓谷内で見られる苔類や木々を展示。
同時にテレビモニターにて、ドローンの技術を駆使した、これから歩いて目にする美しい風景を映像として映し出している。
その先には「渓流の清水」水槽を設置。水質のきれいな実際の川の水に渓流の女王と呼ばれる魚「アマゴ」を展示している。
渓谷内で見られる或いは近辺で見られる魚類を「水面下の魚」コーナーにて、名張市の川を手前から下流~中流~上流へ向かうように展示。実際に渓谷を歩いている際に見られる魚類が観察できる。
その他「赤目の里山」「渓流の両生類」コーナーなど、探さないと普段目にすることができない生物、ナガレヒキガエルやタウナギなどを展示。
最後には、赤目四十八滝最奥部に位置する岩窟滝を再現したメイン水槽「岩窟滝水槽」を見ることが可能だ。
水槽には国の特別天然記念物であるオオサンショウウオと共に、滝に生息している魚類が同時に展示される。
赤目滝の魅力発信・にぎわいの創出を目指して
「赤目滝水族館」のリニューアルオープンに合わせ、4月20日(土)から赤目四十八滝周辺の駐車場を無料化。
また、これまで大人1人500円・子ども250円だった入山料を、「渓谷保全料」として料金を改定し、大人1人1,000円・子ども500円に改定。
さらに、地元の人にも赤目滝の魅力を伝えていくため、大人1人3,000円・子ども1人1,500円で年間パスポートも売り出される。
そして、赤目四十八滝ににぎわいを取り戻す取り組みとして、国からの補助を得て、旅館や飲食・土産物店など計10事業者が施設を改修。門前界隈は通称「赤目小町」と名付けられ、官民一体となって新たな集客を図っている。詳細は「赤目四十八滝」公式サイトで確認を。
リニューアルオープンする「赤目滝水族館」に足を運んでみては。
「赤目四十八滝」公式サイト:https://www.akame48taki.com
(田中彩文)