日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、茨城県旧小川町(小美玉市)を写真とともに紹介する。
Vol.213/茨城県旧小川町(小美玉市)
小美玉市の市名で「小」の文字を担っているのが、旧小川町だ。市町村合併は2006年だけれど、4年後の2010年に茨城空港が完成しているので、旧小川町の空港というより、小美玉市の空港というイメージだろう。空港近くには直売所や物産店が入った「空のえき そ・ら・ら」という施設があった。まだ営業時間前だったので、施設内を見て回ることはできなかったものの、広々とした駐車場が広がっていたことから、空港の利用者は車を使っている人が多いのだなあと感じられる。
空港の外には戦闘機も展示されていた。ということは…と考えて、そばには航空自衛隊の百里基地があるということを知る。なるほど、茨城空港は、百里基地を民間共用化した空港とのことだった。
茨城空港を訪れたあと、小川鎮守の素鵞(そが)神社を目指す。空港の周辺は平地で空も広く感じられたものの、素鵞神社近くの住宅街へ入っていくと、道も細く古い家屋も点在しており、昔ながらの時間が流れていて、気配も引き締まったようだ。神社は木々に囲まれ、雨が木々にあたる音が響いていた。大きなイチョウの木にはしめ縄と紙垂が巻かれており、御神木なのだろう。そして、社殿の屋根も濡れて艶があり、堂々たる雰囲気だった。雨の日の空間に少しドキドキしつつ、参拝させてもらった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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