世界ゆるスポーツ協会は、5月11日(土)に開催された「ゆるスポーツランド2024(YURU SPORTS LAND 2024)」のオープニングイベントにて、聴覚に障がいがある人も光と振動で合奏参加できる新しいドラム「ハグドラム」を演奏した。
「ハグドラム」は現在、ソニー・ミュージックエンタテインメントがソニーグループのデザイン部門であるクリエイティブセンターと共同開発を進めている。
楽器演奏の喜びを提供する世界ゆるミュージック協会
世界ゆるミュージック協会とは、すべての人に楽器を演奏する喜びを提供するプロジェクト。人々が楽器をやらない理由は、「自分には才能がない(と思い込んでいる)」「挫折した経験がある」「始めるきっかけがない」「騒音が気になる」など様々だ。
同協会は、それなら「人が楽器をやらない理由をなくす新しい楽器」をつくれないだろうかと考えた。リズム感や音感がなくても大丈夫、騒音が気にならない、そして気軽に気兼ねなくプレイできて多様なラインアップから自分に最適な楽器を選べる。
聴覚に障がいがある人でも音楽を楽しめるドラムを開発
「ハグドラム」とは、聴覚に障がいがある人の「音楽を楽しみたい」という声をもとに生まれた、手のひらで打面を叩いた音を光と振動で感じられるドラム。打面の中心は低音、縁を叩くと高音が出て、光を放つ。
胴体の2カ所に振動するスピーカーがあり、抱えると脇腹に触れる内側からは自分の叩いた音が、腕に触れる外側からは合奏者の音が振動として再現される。
プロのミュージシャンと聴覚障がいがある人が共演
このデモ演奏には、開発におけるメンターとして初期から携わっている即興パフォーマンスグループel tempo(エル・テンポ)より、シシド・カフカ氏、IZPON氏、Show氏(Survive Said The Prophet)、岡部洋一氏、芳垣安洋氏、KENTA氏(SPYAIR)が参加した。
また、手話エンターテイメント発信団・oioiのパフォーマーである岡﨑伸彦氏と中川綾二氏らも参加。プロのミュージシャンと聴覚障がいがある人の夢のステージ共演が実現した。
「耳が聴こえなくても楽しめた」とイベントは大成功
ステージを終え、el tempoを率いるシシド・カフカ氏は、「ハンドサインを使っていろんな人と音楽を共有できることは、とても多くの可能性を秘めていて、今回こういった形でハグドラムの開発に携われたことは私たちにとってもすごい財産になりました。
今回のことをきっかけに聴覚障がい者の方々だけでなく、ほかの障がいをお持ちの方々とも音楽を共有できていければいいなと思います」とコメントしている。
実際に初めてのステージ上でのドラム合奏を体験したoioiの岡崎氏は「めちゃくちゃ楽しかったです。生まれつき耳が聴こえない僕たちが、合奏ができることが嬉しすぎて、最後手が痛くなるまでたたいてしまいました」とコメントした。
開会式では、ゆる楽器を使ったバンド「ゆるミュージックほぼオールスターズ」のトミタ栞氏と、新メンバーのヤナ氏が司会進行を務めた。
新しい音楽・楽器の世界に興味がある人は、世界ゆるスポーツ協会をチェックしてみては。
「ゆるスポーツランド2024」概要:https://yurusports.com/archives/14285
世界ゆるスポーツ協会公式サイト:https://yurusports.com
(佐藤 ひより)