いけばな草月流は6月12日(水)~27日(木)の期間に各期2日間、5期制で、草月会館にて初夏の草月いけばな展「花のスケルツォ」を開催する。
草月会館2階談話室には「自由花」に加え、草月流の代名詞でもある「“竹”を取り入れた作品」を展開。素材や器、空間と戯れるようなのびのびとした作品に、正面エントランスには家元による大作が展示される。
自由な表現で美と安らぎをもたらす「いけばな草月流」
1927年、初代家元・勅使河原蒼風氏が形式主体のいけばなに疑問を持ち、個性を尊重した自由な表現を求めたことから草月のいけばなは始まった。草月のいけばなは「型」にとらわれることなく、常に新しく、自由にその人の個性を映し出す。
いつでも、どこでも、だれにでも、そして、どのような素材を使ってもいけられるのが草月流。いけ手の自由な思いを花に託して、自分らしく、のびやかに花をいけていく。
また、時代とともに変化してきた草月のいけばなは、それぞれの家庭で楽しむことはもちろん、ウインドーディスプレーや舞台美術など、社会のあらゆる空間に植物表現の美と安らぎをもたらしている。
正面エントランスには家元による大作が展示
会期中、草月会館1階の正面入口前に家元作品が展示される。草月流第4代家元の勅使河原茜氏は、2001年に第4代家元に就任。自由な創造を大切にする草月のリーダーとして、国内外さまざまな場所でみずみずしく大胆ないけばな作品を発表する。
他分野のアーティストとのコラボレーションにも積極的に取り組むとともに、いけばなを通じて子どもたちの感性と自主性を育む「茜ジュニアクラス」を主宰し指導にも力を注ぐ。
2020年、コロナ禍の花卉業界を応援するため、クラウドファンディングの支援をもとにグロリオーサ5,000本を使用したインスタレーションを制作。
2021年には家元継承20周年を記念した2つの個展「むすぶ」(京都・草月WEST)、
「ひらく」(東京・草月会館別館アトリエ)が行われ、多くの反響を呼んだ。
草月流・勅使河原茜家元からのメッセージ
以下は、勅使河原茜家元からのメッセージだ。
「『いけばなは立体造形である』先代家元・勅使河原宏による、この明快ないけばなの定義を指針の一つとして、草月流は3年後の創流100周年に向けて大きく歩みを進めています。
いけばなが纏ってきたあらゆる形容を取り去った後の、この清々しいまでの本質に立ち返ることは、創造の新たな可能性の扉を開くと共に、花をいける喜びと新たに出会い直すことにもつながると思うのです。
本展では、出品者一人ひとりがこのいけばなの原点に立って、それぞれの思いを形にする自由花と、宏が得意とし、草月の代名詞ともなった“竹” を取り入れた作品を展示いたします。
100周年へと向かうこの大きな一歩が、伸びやかで軽やかで心躍るものとなることを強く願っています」
いけばなで初夏を感じたい人は、草月いけばな展「花のスケルツォ」へ参加しよう。
■草月いけばな展「花のスケルツォ」概要
会期:6月12日(水)~27日(木)
1期:12日(水)、13日(木)
2期:15日(土)・16日(日)
3期:19日(水)・20日(木)
4期:22日(土)・23日(日)
5期:26日(水)・27日(木)
※断続的な開催となる
時間:水・土曜日は10時30分~18時30分、木・日曜日は10時30分~16時30分(入場は閉場の30分前まで)
会場:草月会館 2階談話室
住所:東京都港区赤坂7-2-21
入場料:無料
草月会公式サイト:https://www.sogetsu.or.jp
(佐藤 ひより)