日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、茨城県旧那珂町(那珂市)を写真とともに紹介する。
Vol.237/茨城県旧那珂町(那珂市)
朝6時30分に出発して向かったのは、旧那珂町。朝の空気はまだひんやりしていて、水分をたっぷり含んだ雲も、そこかしこにいた。市役所の近くに向かうと大きな池があって、鳥たちが気持ち良さそうに浮かんでいる。風も凪いでいて、家や電信柱が池に映り込み綺麗だった。池のそばには曲がり屋も移築復元されており、那珂市では最後の曲がり屋だという。寒さの厳しい東北地方などで見られる住居だが、旧那珂町も東北ほどの寒さがあったということだろうか。ひんやりした空気を感じつつ、気持ちよく散策した。
その後、市街地から北西に位置する茨城県民の森に向かっている。全国各地、「県民の森」という場所は意外と多い。県庁所在地にあることが多いけれど、旧那珂町にあるのだなあと思って気になったのだ。ここには「きのこ博士館」や「茨城植物園」という施設があって、特にきのこ博士館は行ってみたかった。しかし、訪れた時間が早すぎて門が閉まっており、まだ空いていなかった。今回はご縁がなかったということかな。ヘルメットをかぶった自転車の学生が横断歩道を歩いて渡っていた。学校で教わっている習慣なのかな。流れているのは相変わらず、静かで落ち着いた日常だ。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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