日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、茨城県旧金砂郷町(常陸太田市)を写真とともに紹介する。
Vol.238/茨城県旧金砂郷町(常陸太田市)
次にやって来たのは、旧金砂郷町だ。そして、金砂郷といえば、なんといっても「常陸秋そば」の名産地。と、知ったような口をしているけれど、数日前につくば市で出会った方に、教えていただいたのだった。「常陸秋そばの産地といえば、(常陸太田市の)金砂郷と水府がとっても有名だよ。今は時期が違うから、蕎麦畑は見れないかもしれないけれど、最高級品と言われるお蕎麦なんだよね」と。蕎麦といえば、信州や北海道のイメージが個人的に強かった。でも、ここ数日は「常陸秋そば」と描かれたのぼりを見かける機会もずいぶん多くて、実際に旧金砂郷町に入ると蕎麦処も多く広がっていた。「常陸秋そば」が世間に浸透していることを強く実感したのだった。
金砂郷の中でも、そばの産地として特に知られているのが「赤土町」だ。そして、赤土町に位置する「西金砂そばの郷 そば工房」を目指した。今回手打ちそばの体験をするわけでもないし、昼食に行くにしてもまだ朝だったわけだが、赤土町という土地を感じてみたかったのだ。また、そば工房に行く手前に建っていた家屋に圧倒された。もちろんすべての建物がそうだったわけではないけれど、昔ながらの家屋がそのまま残っている姿は、足元のアスファルトや、現代の建物から視線を外せば、時代が一気にタイムスリップして見えた。周辺も里山そのままの風景であり、原風景だなあと。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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