ノーススターが運営する、子どものオンライン診療アプリ「キッズドクター」は、小児疾患を全国どこからでも受診できるよう、オンライン診療での小児専門外来を始める。最初の専門外来として、6月1日(土)より「おねしょ外来」を開始した。
オンライン診療・チャット健康相談ができるアプリ
「キッズドクター」は、子どもの健康や病気について不安を抱える保護者に「医師とつながれる安心」を届けるために生まれた、子どものオンライン診療アプリ。早朝や夜間、休日でも、自宅からスマートフォンのビデオ通話で医師の診察を受けることができる。
オンライン診療では、医師が必要と判断した場合は薬の処方も可能。薬は好きな薬局で受け取れる。診察には健康保険証、子ども医療費助成が適用され、サービス利用料など、診察費以外の費用は一切かからない。診察時間は、平日6:00~16:00/18:00~24:00、土曜10:00~24:00、日祝8:00~24:00だ。
また、オンライン診療の他に、看護師によるチャット健康相談も利用可能。厚労省指針に基づき、病院が開いていない時間に、看護師チームが医学的判断の伴わない一般的な医学的情報の提供や受診勧奨を行う。対応時間は平日18:00~23:00で、3ヶ月に3回まで無料で利用できる。
「おねしょ外来」の概要
「おねしょ外来」は、オンラインで子どものおねしょ(夜尿症)についての受診・相談ができる小児専門外来だ。
久留米大学病院の小児科専門医であり、腎臓・泌尿器のスペシャリストでもある田中征治医師協力のもと、オンラインで夜尿症を診察できる体制を構築したことで実現した。
診察対象は、「おねしょについて困っている(年齢制限なし)」「おねしょについてすでに受診しているが、通院の負担が大きく治療の継続が難しい(年齢制限なし)」「昼のおむつは外れたけど、夜はおねしょが続いている」といった子どもだ。
受診するには、キッズドクターアプリ内の「オンライン診療」から、問診票の「症状について」で「おねしょ・夜尿症」を選択。すると、オペレーターより夜尿症専用の問診票が送られてくる。診察時間は、「キッズドクター」の通常のオンライン診療の診察時間に準ずる。
7歳児の10%がおねしょの課題を抱えている
日本泌尿器科学会によると、子どものおねしょ(夜尿症)は「5歳以上で、1ヶ月に1回以上の頻度で夜間睡眠中の尿失禁を認めるものが、3か月以上つづくもの」と定義されている。
7歳児の夜尿症の有病率は10%程度で、その後は年間15%ずつ自然に治るとされているが、0.5~数%は夜尿が解消しないまま大人になるといわれている。
こうした背景から日本泌尿器科学会は、小学校に入っても夜尿症が治らない場合、小児科や泌尿器科を受診するよう推奨している。
定期通院のハードルをオンライン診療で解決したい
おねしょ(夜尿症)は、デリケートな悩みなので「夜尿症で通院をする」ということ自体に精神的な負担を感じる子どもや保護者も多く、通院の継続が難しいケースが少なくないのだそう。
しかし、オンライン診療なら、全国どこからでも人目を気にせず、プライバシーを守りながら継続して受診することができるため、対面での通院に比べて精神的な負荷を下げることができるのではないかと、ノーススターは考えている。
そして「おねしょ外来」を通じて、どこで受診したらいいかわからず悩んでいた人や、精神的な負担などから受診を控えていた人、定期通院のハードルなどが理由で治療を中断した人などを支援したいとしている。
今後の展望
ノーススターは今後、「キッズドクター」において、おねしょに限らず、さまざまな小児専門領域のオンライン診療を展開していく方針を明らかにしている。
そして、悩みや不安がありつつもなかなか医療機関に通うことができない人を支援しながら、専門医の地域偏差、医師・専門医不足といった医療課題の解消にも貢献していきたいと考えている。
オンライン診療により「病院が近くにない」「通院しづらい」などの課題を解決してくれそうな「キッズドクター」の今後にも注目したい。
「キッズドクター」URL:https://kids-doctor.jp
(Higuchi)