日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、福島県旧岩瀬村(須賀川市)を写真とともに紹介する。
Vol.248/福島県旧岩瀬村(須賀川市)
次にやって来たのは、旧岩瀬村。2005年に須賀川市へ編入した村だ。須賀川市街地に、円谷英二ミュージアムがあったけれど、旧岩瀬村には「須賀川特撮アーカイブセンター」がある。なので、ここへ訪れてみようと。
道中は穏やかな水田風景が広がり、空も広い。西の遠くに見える山並みを越えた先には、会津が広がっているのだろう。
訪れた時期は2023年なので、同じ展示かどうかはわからないが、須賀川特撮アーカイブセンターでいろいろと展示を観た。
偶然、「今から映像が流れますのでどうぞ」というタイミングで、『巨神兵東京に現わる』という映画も観た。特撮短編映画で、脚本は庵野秀明さん、監督は樋口真嗣さん、タイトルの“巨神兵”は宮崎駿さんの風の谷のナウシカの巨神兵のこと。ナレーションは綾波レイの声だった。
調べると、この短編映画は、2012年の東京都現代美術館での展示で公開された映像だそうだ。そのときどうだったのかはわからないけれど、今回は短編映画に加えて、メイキングも観ることができ、特撮映画の技術が惜しみなく使われていること、そしてたくさんの知恵を振り絞って出来上がった作品であることを知った。映画はグサグサとささるような完成度だった。ひとつの作品をつくりだす情熱、喜び、技術、さまざまな要素があった。真っ直ぐな大人は無邪気でかっこいい。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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