福井県池田町の須波阿湏疑(すわあづき)神社境内では、8月11日(日・祝)に、「葉月薪能」が開催される。
能文化が根ざす池田町
福井県池田町は人口約2,200人、森に囲まれた小さな町。
心をいやす日本の原風景、作物をいつくしむ感謝の気持ち、人と人が思いやり支えあって暮らす「あたりまえをたやさないまち」を目指している。
そんな池田町は、鎌倉時代から続く「水海の田楽・能舞」をはじめ、貴重な伝統文化を今に受け継いでいる。
町内の各神社には歴史ある能面や衣装が大切に保管されており、また常時100面以上の能面を展示する「能面美術館」を有するなど、「能楽の郷」として知られている。
「葉月薪能」について
「葉月薪能」は、延命息災や五穀豊穣への祈願や感謝を示す民俗芸能と、日本の伝統芸能の代表である能・狂言が共演することで、互いの芸能の特徴を比較することができる番組構成となっている。
第一部の民俗芸能交流会では、池田町に約800年受け継がれる、国指定重要無形民俗文化財の「水海の田楽・能舞」と、
日本遺産に登録された「石見神楽(いわみかぐら)」から演目が披露される。
第二部の能狂言には、かつての越前の猿楽ともゆかりのある地、京都より、共に人間国宝に認定された「シテ方 金剛流 二十六世宗家 金剛永謹師」と
「狂言方 大蔵流 茂山七五三師」を招いている。
池田町では1997年度から「全国能面公募展」を定期的に開催しており、優秀作品は能狂言の主要流派の舞台で使用されてきた。
今回も過去の優秀作品の中から選ばれた3面が使用される。
現代の面打ち師にとって、自分の制作した能面が舞台で使用されるのは大変貴重で名誉なことだ。
能面作家にとっても晴れの舞台となる。
当日16:00~21:00には、会場内で、Tシャツや小物など、「葉月薪能」を記念したお土産品も販売される。また、池田町の特産品を使ったおやつや軽食を販売するテントやキッチンカーも出店予定だ。なお、店舗により営業時間が16:00~19:00となる。
「葉月薪能」概要
「葉月薪能」は16:00に開場、第1部の民俗芸能交流会を17:00~18:40に実施。その後約20分の休憩がある。
第2部の「葉月薪能」は19:00~21:00に開催。第2部では最初に火入れ式が実施され、その後能楽師よる解説が入る。
当日は、武生駅・越前たけふ駅・福井駅からシャトルバスが運行される予定だ。
イベントは小雨決行・荒天中止で、荒天中止の場合は8月9日(金)正午までに発表される。
前売券は、チケットぴあWEBの他、福井県内各所で販売中だ。荒天中止の場合の発表や、チケット販売所や料金などの情報は、詳細ページで確認しよう。
関連イベントも開催
当日は、関連イベントも開催される。
8月11日(日・祝)の10:00~15:00に「能面美術館」で開催される「能役者体験」では、池田町の「水海の田楽・能舞」で2000年まで使われていた能装束と能面を着装し、能面美術館内の舞台に立ち、地元保存会の人々の指導を仰ぎながら、所作体験と記念撮影ができる。能面を着けたときの視野の狭さや衣装の重さなどを体験することができる、貴重な機会となる。
「能役者体験」の定員は18名で、事前予約優先となっている。料金は1人5,000円。所要時間は約30分となる。予約に関する問い合わせ先は詳細ページで確認を。
また、同じく「能面美術館」で、火曜日以外の8月1日(木)~31日(土)の期間の10:00~16:00に、「創作能面展」が開催される。古面を複製することが常道とされる面打ちの世界で、「創作能面」の分野を切り開いてきた池田町在住の面打ち師である桑田能忍・能守親子の代表作を含む約100点の能面が展示される。
「能面美術館」の入場料は1人300円。薪能チケット提示で入場無料となる。
さらに、8月11日(日・祝)の10:00~16:00には、「池田の古面パネル展」を開催。先人と地域を敬う象徴として大切に保管され、普段は一般公開されていない室町期からの貴重な古面41点が、須波阿湏疑神社拝殿前にてパネルにて展示される。
この夏、池田町の能文化に触れてみては。
■須波阿湏疑神社
住所:福井県今立郡池田町稲荷13-1
詳細ページ:https://www.e-ikeda.jp/event/p004561.html
葉月薪能 チケット販売ページ:http://ticket.pia.jp/pia/event.ds?eventCd=2422463
(yukari)