全国清涼飲料連合会、廿日市市、BIPROGYは、世界遺産である宮島とその玄関口である宮島口において、環境保全と観光振興の両立に向けたモデル事業(※1)を8月8日(木)より開始した。
この事業は、IoTスマートごみ箱「SmaGO」を活用し、観光客によるポイ捨て・置き捨てごみの発生抑止とリサイクル(再生利用)、リユース(再使用)、リデュース(発生抑制)の3Rを推進する取り組みだ。デジタルによる仕掛けで観光客の行動変容を促し、オーバーツーリズムによるごみ問題を解決していく。
オーバーツーリズム対策が急務
宮島は、豊かな自然と世界文化遺産に登録された嚴島神社などの日本文化が融合した景観で、多くの観光客が訪れる観光名所だ。しかし、観光客の急増に伴うごみのポイ捨てや置き捨てなど、オーバーツーリズム対策が急務となっており、特にテイクアウトに伴う、大量の飲み残しの処理が大きな課題となっている。また、これらによって海洋プラスチックごみの発生や景観の悪化等につながっていく可能性がある。
国内初の設置!「飲み残し専用BOX」
モデル事業では、多くの観光客が往来する宮島口旅客ターミナル施設と、
島内の表参道商店街(TOTO宮島おもてなしトイレ)にIoTスマートごみ箱「SmaGO」を設置。TOTO宮島おもてなしトイレには、国内では初めての設置となる「SmaGO飲み残し専用BOX」が設置される。
「SmaGO」は、満杯になると自動的にごみを圧縮し、ごみ箱の大きさの約5倍のごみを堆積できるIoTスマートごみ箱。ごみ箱上部のソーラーパネルで発電した電源で稼働できるため電源確保の必要がなく、電源がない場所にも設置できるという。
マナーの啓発活動にも取り組む
宮島口旅客ターミナル施設に設置されたデジタルサイネージや観光客のスマートフォンから見ることができる観光マップ(デジタル周遊マップ)では、「SmaGO」の設置場所の表示を予定している。
また、ペットボトルの3分別(ボトル、キャップ、ラベルの分別)をはじめとして、ごみの分別やリサイクルに関する情報をデジタルサイネージで発信することで、マナーの啓発活動に取り組んでいく。
ごみの分別による3R推進
全国清涼飲料連合会が連携し、BIPROGYが研究を進めているナッジ(※2)や仕掛学(※3)、インフォグラフィックス(※4)を活用したデザインで、「SmaGO」をラッピングしている。
カテゴリーごとの色分けや、矢印を辿るゲーム性、注目を集めやすい丸い形状などで、ついごみや飲料容器を分別したくなるよう行動変容を促し、ごみの分別や飲料容器のリサイクルを促進する。ペットボトルについては、3分別や飲み残しの適切な処理を促すデザインを追記することで、リサイクルの取組を促進。また、景観と調和したシンプルでスマートなデザインを採用している。
なお、分別種別は宮島における廿日市市の排出ルールに則って設定したもの。
観光客の行動変容を促しオーバーツーリズムによるごみ問題を解決!全国清涼飲料連合会、廿日市市、BIPROGYが行う取り組みを、この機会にチェックしてみては。
廿日市市公式サイト:https://www.city.hatsukaichi.hiroshima.jp/soshiki/110/113196.html
※1 事業は環境省のモデル採択事業に5月17日(金)に採択されている:https://www.env.go.jp/press/press_03149.html
※2 行動心理学をもとに、望ましい行動をとれるよう人を後押しするアプローチ
※3 人の行動に起因する問題に対し、ついしたくなる「仕掛け」によって行動の選択肢を増やし、自覚的な行動変容を促すことで結果的に問題を解決する、人の行動を変えるきっかけとなる「仕掛け」を対象にした新しい学問分野
※4 あるテーマに関するさまざまな情報やデータをもとに、情報を整理して見やすく整えた画像を作成する手法
※SmaGO は、株式会社フォーステックの登録商標です。
※その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
※掲載の情報は、発表日現在のものです。その後予告なしに変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
(江崎貴子)