日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、福島県旧鹿島町(南相馬市)を写真とともに紹介する。
Vol.287/福島県旧鹿島町(南相馬市)
南相馬市の中で最も北に位置するまちが、旧鹿島町だ。旧小高町から北上し、旧原町市を通って旧鹿島町に入る。大きくは「浜通り」と呼ばれているこの地域。海も近いので平野が広がっているようなイメージだけれど、どちらかというと市街地や主要道路の周辺は、ゆるやかな丘陵地という感覚だった。険しい山越えがあるわけでもないが、遠い地平線はやや隆起していて、土地そのものが大きな丘陵地の中にあるように感じるのだ。
そして、市街地に入ってからは、鹿島御子神社を訪れた。旧小高町では相馬小髙神社、旧原町市では相馬太田神社を訪れていたので、旧鹿島市でも神社へ訪れてみたかった。
鹿島御子神社は落ち着いた境内と社殿、さらには御神木も立派にそびえていて、清々しい神社だった。その神社の周辺も、道路沿いに昔ながらの穏やかな暮らしが広がっていた。
そして、いくつかのぼりが飾られていて、その中に馬の絵が描かれたものを見つけた。調べてみても、おそらく鹿島御子神社は相馬野馬追の主会場ではないはずだ。だから、主会場かどうかというよりも、地域性として馬の存在が大切ということではないだろうか。相馬地方ではやはり、馬が地域と密接な関わりを持っているのだろうなあと、こののぼりを見て感じたのだった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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