日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、宮城県旧中新田町(加美町)を写真とともに紹介する。
Vol.288/宮城県旧中新田町(加美町)
朝6時半に出発した。外は曇りだ。最近は天気予報が合っている気があまりしなくて、目測で判断した方が動きやすいと思う。だから、空を見て「今日はフツーかなあ」という印象だった。晴れるかもしれないし、雨が降るかもしれない。実際、どっちもあった。
加美町は2003年に中新田町、小野田町、宮崎町が合併したまちだ。いずれの町も加美郡だったので、合併後の名前も「加美」を引き継いでいる。最初に訪れた旧中新田(なかにいだ)町には加美町役場があって、近くの商店街の花楽小路(からくこうじ)も散策してみた。
平日の朝、学校に歩いて登校する小学生たちの姿もいた。そして、花楽小路という商店街に着くと、電線が地中化されており空が広く、石畳の路面に風情を感じる。まだ朝早いのでお店は開いていないけれど、雰囲気のある建物やお店もあった。この地域は宿場町としての歴史をもつそうだ。もちろん、今は宿場町ではないが、時代がどれだけ進んでも、この町の雰囲気には唯一無二の美しさがあると思ったのだった。
また、中新田町は国道347号線と国道457号線が、十字路に近い形で通っている。347号線は東西に延びていて、西へ進むと山形県にも入る。交差点付近は車の交通量も多く、みんなどこまで行くのかなあと思った。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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