日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、宮城県旧三本木町(大崎市)を写真とともに紹介する。
Vol.314/宮城県旧三本木町(大崎市)
大崎市の市街地である古川から、国道4号線を南へ進み、旧三本木町を訪れた。鳴瀬川を越えた先で、三本木の道の駅、庁舎、公園がほぼ同じ場所に集まっていて、市街地の気配が現れた。
国道4号線から三本木総合庁舎への道に入ると、立派な庁舎が見えてきて、車もたくさん停まっている。そばには新世紀公園もあり、その横には住宅地が広がっていて、生活の場であることを感じられた。
国道4号線を跨ぐのに少し信号も待った後、「道の駅 三本木 やまなみ」を訪れた。まだ早朝だったので開いていなかったけれど、道の駅には「三本木亜炭記念館」という施設もある。
実際に炭鉱で使用されたという淡い水色のオート三輪が正面に展示されていて、錆びている様子を見ても時間の長さを感じるし、三本木が亜鉛のまちであったことも初めて知った。訪れた市街地は比較的見晴らしの良い地形だったので、このまちにも鉱山があったとは予想外だった。時代の流れに合わせたまちの暮らしがあるはずだし、炭鉱で栄えた頃は今と違う雰囲気のまちだったのかもしれない。
それに、まちの地名である「三本木」は「六本木」から数字が半分になっただけなのに、感じる印象がだいぶ変わるので、不思議だなあと思う。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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