日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、宮城県旧南郷町(美里町)を写真とともに紹介する。
Vol.316/宮城県旧南郷町(美里町)
旧小牛田町から鳴瀬川沿いに、南東の方角へ進み、旧南郷町へ入った。先ほど山神社で出会って仲良くなったお母さんの出身地が、この旧南郷町だ。
「私が子どものころは、子どもながらに“わあ、町だわ!”って感じていたのよ。今は育った私でも、なくなってしまったものが増えたなあと思う」
そうしたまちの移り変わりが、悪いわけではない。時代の流れの中で、私たちは常に選択していて、この先もどんどん変化していくのだから。
その旧南郷町を巡った。道中、畑の小さな一角に、華やかなひまわり畑ができていた。今年最初に出会ったひまわり畑だった。
市街地へ向かうと商店もあり、現役のたばこ売り場があった。お店を閉じてしまったたばこ売り場を見ることが今は圧倒的に多いけれど、まだ現役のお店もあるのだなあと。
また、南郷庁舎の近くで、楽天イーグルス南郷球場という野球場も見つけた。ここにも楽天の球場があったことは初めて知った。バックネット側は広々とした田んぼがひろがっており、球場が田んぼの中に浮かび上がるようである。アメリカの映画『フィールド・オブ・ドリームス』では、トウモロコシ畑の中に野球場が登場するけれど、それのちょっとした日本バージョンのようだった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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