日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、宮城県旧桃生町(石巻市)を写真とともに紹介する。
Vol.325/宮城県旧桃生町(石巻市)
旧北上町の「道の駅 上品の郷」から北上し、旧桃生町へ向かう。
「桃生」という地名の読み方を、訪れるまで調べないままでいた。ネットで調べて事前に知ることも嬉しいけれど、現地の看板などで知るときの方が、知るというアクションにリアル感があって、新鮮に感じるのだ。
「ももいき」「ももき」「ももお」といろいろ考えていたけれど、全部外れた。
正解は「ものう」だ。
そして、地名の読み方を知ってから、スマホでもパソコンでもタイピングすると、漢字がスッと変換されるので、それもうれしい。
旧桃生町は内陸のまちで登米市や涌谷町も近く、ゆったりした田園風景が広がっていた。
また、旧桃生町は旧北上川と北上川の分岐点も近い。旧北上川は、石巻市街地を通って南向きに流れ出て、北上川は途中で東へ大きく折れて海へ流れ出る。地図を見ると、川の流れが大きく違うことに気づく。
どういうことだろうと調べてみると、江戸時代から治水の過程を経ていく中で、明治時代には新しい北上川のルートをつくる開削が行われ、今の形になったと。
そのふたつの川に囲まれているからこそ、旧桃生町では平坦な地形が多いのだと感じられた。
市街地は落ち着いた住宅地が広がり、住宅地を離れると田園風景と山並みが綺麗だった。雨上がりで大きな水たまりができた田んぼの道を、散歩中の犬が楽しそうに歩いていった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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