日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、宮城県旧河南町(石巻市)を写真とともに紹介する。
Vol.326/宮城県旧河南町(石巻市)
旧桃生町から旧北上川を渡って、旧河南町へ入った。河という名前があると海に面しているように感じられるけれど、海には面していない。市街地は石巻線と気仙沼線の通る前谷地駅周辺に。昔ながらの雰囲気が残っていて、静かな暮らしを感じた。
ちなみに、石巻市にはかつて旧河北町もあったが、立地としては旧河南町の東に位置していた。お互い何に対しての北であり、南なのだろう。と思って地図とにらめっこすると、「旧北上川」を起点に北側が旧河北町、南側が旧河南町のイメージなのかなあと。やはり、今は旧北上川でも、時代を遡れば川のイメージが違うのかもしれないなあと思う。
また、県立自然公園の旭山へ。標高がとても高いわけではないけれど、眺望が良く、桜の名所でもあると。入口には「霊峰旭山」と記された鳥居も建っていた。ただ、駐車場に着いたときに、ゴロゴロと遠雷が絶えず鳴っていて、嫌な予感がした。もしかしたら突発的な雨が降るかもしれない。せっかく駐車場までのぼったのに、という考え方は持たない。展望台には向かわずに下山した。
その後、広々とした田園地帯を通って、石巻市街地へ向かう。結果的に、夜は土砂降りの雨が石巻市街地でも降ったので、この判断で良かったのかもしれない。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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