ウォーターズ竹芝と慶應義塾大学SFC田中浩也研究室は、展示「みらい作庭記 – SIGHT of IMAGINATION -」を、11月9日(土)・10日(日)の11:00〜17:00に、ウォーターズ竹芝のプラザ(芝生広場)で開催する。
ウォーターズ竹芝について
ウォーターズ竹芝は、JR山手線・浜松町駅から徒歩6分のところにあり、2020年10月にまちびらきした「JR東日本四季劇場[春][秋]・自由劇場」「アトレ竹芝」「メズム東京、オートグラフ コレクション」「竹芝地区船着場(ウォーターズ竹芝前)」「竹芝干潟」などからなる水辺の複合施設。JR東日本グループが開発を行い、竹芝タウンデザインがタウンマネジメントを行っている。
なお、中央に位置するプラザ(芝生広場)は、来街した人や地域の人々の憩いの空間として親しまれているほか、ドラマ、CM撮影やイベントなどにも広く利用され、訪れる人に「水辺の自由時間」を提供している。
日本の伝統的な風景を再構築
今回「ウォーターズ竹芝」では、昨年に引き続き、慶應義塾大学 環境情報学部教授・田中浩也氏が率いる慶應義塾大学SFC田中浩也研究室と連携し、研究室の学生たちとともに、東京の水辺空間に「新しい庭」を創る取組みを行う。
第4弾となる今年は、「妄想風景」をテーマに、3Dプリンタ特有の造形技術やAR表現を活用し、日本の伝統的な風景の再構築を行う。
展示は入場無料。なお、やむを得ず展示内容や開催日時などが中止・変更となる場合がある。また、雨天の場合は一部作品の展示が中止となる。
「みらい作庭記」について
『作庭記』は平安時代に書かれた日本最古の庭園書で、「枯山水」という語の初出文献。「山や海などの自然景観を思い起こし参考にする」「過去の優れた作例を模範としながら、家主の意趣を配慮しつつ自らのデザイン感覚で仕上げる」など、作庭の基本的な作法がまとめられ、現代にも影響を与えている。
ウォーターズ竹芝と慶應義塾大学SFC田中浩也研究室は、この方法を継承しながら、3Dプリンタを使用し、日本の伝統的な茶室、灯篭、凧のある風景の再構築を目指す。
作品と制作者のコメントを紹介
『立体凧’空連’』を制作したのは、慶應義塾大学 総合政策学部4年の阿部辰海さん。
阿部さんは、「立体的で不思議な形をした凧を、3Dプリンタを用いて製作しました。日本で古くから親しまれていた平たい凧とは異なり、複数の格子状のモジュールを組み合わせた幾何学的な形をしています。独特な形の凧が空中に浮かぶ姿は、ウォーターズ竹芝の景色とともに不思議な光景を生み出します。大人から子供まで、異質な物体を空に浮かべる体験を楽しんでいただけると幸いです」と話している。
『海月灯』を制作したのは、慶應義塾大学 環境情報学部3年の上野祥太さんと、2年の伏木和香さん。
上野さんと伏木さんは、「AR技術は人間に、テレキネシスを開眼させるだろうか。3Dプリント造形物をスマホでスキャンすると、ARコンテンツが画面に表示され、そのコンテンツに触れることで現実の物体が動き出す。物体に直接触れずともARという仮想世界から、現実に介入する仕掛けを制作、ウォーターズ竹芝の水辺に光り輝く『海月灯』として作品を展示します。ARと3Dプリントを組み合わせた最新の表現方法を是非ご覧ください」とコメントしている。
『計極庵』を制作したのは、慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科1年の谷口朝洋さん。
谷口さんは、「形状最適化技術を活用して設計されたこの茶室は、日本の伝統と最先端のデジタル技術が調和した空間です。コンピュータシミュレーションとアルゴリズムを駆使し、構造的な強度や軽量性を保ちつつ形を最適化することで、従来の設計では実現できなかった独特の形状を生み出しました。伝統と未来が融合したこの新たな空間で、特別なひとときをお過ごしください」と話している。
慶應義塾大学SFC田中浩也研究室について
2005年に発足した慶應義塾大学SFC田中浩也研究室は、3D/4Dプリンティングの可能性開拓にいちはやく取り組み、デザイン工学の立場からその先端を開拓してきた。
今後はこれらの特徴を活用し、都市に存在する素材、形態、機能などを分析、解体、再編成し、新たなものへとつくりかえることによって、気候変動・生態系の回復・高齢化・移動・防災などの新たな課題に取り組む現在の都市に対して、新たな道筋を指し示す手掛かりとなるデザインを仕掛けるべく活動していく。
令和時代の学生が始める新しい庭づくり「みらい作庭記」を体験してみては。
■ウォーターズ竹芝
住所:東京都港区海岸1-10-30
URL:https://waters-takeshiba.jp
慶應義塾大学SFC田中浩也研究室 ウェブサイト:https://fab.sfc.keio.ac.jp
(yukari)