日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、岩手県旧室根村(一関市)を写真とともに紹介する。
Vol.336/岩手県旧室根村(一関市)
旧大東町から、旧室根村へ移動した。道中は細く緩やかな道を上り下りし、最初に「道の駅 むろね」に着くと、時計の上にニワトリの像が立っていた。それに、もし天気が良ければ、この近くから室根山が見えるのではないかとも思った。旧室根村のシンボルは、なんといっても「室根山」だから。
標高は896mほどで、春はツツジ、夏は木々の緑、秋は紅葉、いずれも美しいという。そして、少しずつ場所を移しながら北の方角を注視していると、やはり雲に隠れた室根山が見えた。どの山だろうかと思っていたけれど、雲に隠れていても、この山だなと、すぐにわかった。堂々たる裾野が見えて、住宅もいくつか点在して見える。もし雲もなく晴れていたら、相当に大きく感じるだろうなあと思った。それぐらい、迫力十分だ。
先ほど訪れた旧大東町では、電車が通っていなかったけれど、旧室根村にはJR大船渡線が通っている。駅周辺では傘をさして歩いている人もいた。小さな峠を越えるとすぐ気仙沼市に入るので、気仙沼との往来で利用する方も少なくはないのではないかと思った。
また、この日とは別の日に、旧室根村に実家がある方と話をする機会もあった。特に東寄りの地域に実家があるので、一関市ではあるけれど、気仙沼との心の距離は近いと。もちろん人それぞれだけれど、なるほどなあと勉強になったのだった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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