日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、岩手県旧花泉町(一関市)を写真とともに紹介する。
Vol.338/岩手県旧花泉町(一関市)
一関市の中でも南に位置する、旧花泉町を目指す。岩手サファリパークから旧花泉町へ入っていくと、ようやく景色もひらけた。旧大東町、旧室根村、旧藤沢町と、この日にこれまで訪れた地域は、遠くまで平野がひらけている場所と出会わなかったけれど、旧花泉町では豊かな田園風景が広がっている。
宮城県と県境を接し、登米市や栗原市と近い。そして、それらは広々とした稲作もひろがっている地域だったので、旧花泉町の地形もその類似性があるのかなあと。
また、何より花と泉で花泉、とってもいい地名だ。するとやっぱり、「花と泉の公園」もあったので、立ち寄ってみた。雨で人の気配はなかったけれど、もし晴れた日なら、自然に囲まれたものすごく心地良い場所なのではないかなあと思う。
その後、花泉市街地へ。金流川沿いに市街地が形成されていて、地域一帯は穏やかな平野部だ。そして、駅前は名残を感じる商店や住宅が並んでいた。やや扇状に道が分岐していて、駅を軸に道が分かれていっているように感じる。
一関市街地からは少し離れているので、旅ではなかなか気づかなかったり、通り過ぎてしまうエリアかもしれない。でも、ここにも昔から続く暮らしがある。それを感じられることがうれしい。そういうことを思う。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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