日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、岩手県旧石鳥谷町(花巻市)を写真とともに紹介する。
Vol.352/岩手県旧石鳥谷町(花巻市)
旧大迫町から西へ進み、旧石鳥谷町へ。この日は朝から雨が続いていたけれど、旧石鳥谷町に訪れる頃にはようやく雨も止んでくれた。市街地は北上川沿いに広がり、周辺の景色も空が広い。「道の駅 石鳥谷」では、「南部杜氏伝承館」という施設に入ってみた。なるほど、「南部杜氏」は石鳥谷を拠点とする杜氏の集団で、日本三大杜氏に数えられるそうだ。
今、日本酒は文化として、さらにぐんぐん進化している気がする。伝統的な日本酒の技術と、新しい発想によるアプローチ。いずれもが作用しあって、日本酒という価値を高め合って。杜氏さんって、すごくかっこいい仕事だと思う。
また、市街地に飾られていた旗を見たときに、お酒の瓶とともに、打ち上げ花火が映っていた。調べてみると「石鳥谷夢まつり」という花火大会が、平成元年から続いていると。
北上川の川面を花火たちが彩る夜、うつくしいだろうなあ。石鳥谷の夏の風物詩であり、2年間は新型コロナウイルスによって中止となったものの、2022年から再開し、2024年で第34回を迎えたと。地元に花火大会があると、ふとまちに貼られたポスターが目に入ったり、誰かと花火の話題になったり、不思議とワクワクしてしまう。そういう日常があるっていいなあと、つくづく思う。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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