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長崎県 壱岐島の猫を救う一斉TNRを実施!どうぶつ基金と壱岐市が協働

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犬や猫の殺処分ゼロの実現を目指す「どうぶつ基金」は、長崎県壱岐市と協働し、12月~2025年3月の4カ月にわたり、壱岐島の猫を救う一斉TNR「イキイキさくらねこTNR」を実施する。

実施日程は、12月18日(水)~21日(土)、2025年1月26日(日)~29日(水)、2025年2月19日(水)~22日(土)、2025年3月8日(土)~11日(火)。手術予定数は、400~500頭。

TNRが猫の繁殖スピードに追い付かない


壱岐市は、7月にどうぶつ基金の「さくらねこ無料不妊手術事業」に参加し、無料不妊手術チケットを使用して野良猫のTNRに取り組んできた。

しかし、約2万4千人が住む島に動物病院はたった2件のみ。2件の動物病院は、毎日犬・猫等の動物の対応に追われているため、無料不妊手術チケットを受け入れることは難しく、船を利用して福岡県の動物病院に猫を運ぶしかないそう。

TNRが猫の繁殖スピードに追い付かず、野良猫の数は増加する一方。野良猫が増えている地区は野良犬も多く、子猫が襲われて命を落とすこともあり、トンビやカラスなどに子猫が襲われることもある。「自然の摂理」という言葉では片づけられない、悲しい現実があるのだ。

そして、問題は飼い主のいない猫だけではない。多頭飼育崩壊や高齢者の複数頭飼育も多く、そのほとんどが未手術であることから今後さらに頭数が増えていくことが予想される。

人も猫もイキイキと暮らす島を目指す

長井獣医師(右から4人目)と地元ボランティア。9月の一斉TNRより。

壱岐島の猫。9月実施の一斉TNRにて「さくらねこ」になった。

そんな現状を憂慮した壱岐市からのSOSを受け、「どうぶつ基金」は今年9月、4日間にわたる一斉TNRを実施。飼い主のいない猫・多頭飼育崩壊の猫、合わせて119頭に無料で不妊手術を行った。

壱岐市・篠原一生市長を表敬訪問

一定の成果をあげることはできたものの、この1回で対応できたのはわずか一地域のみ。島内を見渡せば手術を必要とする猫はまだまだ多く、壱岐市には島民から不妊手術に関する問い合わせが相次いでいたそう。

そこで、同法人は壱岐市と協力し、壱岐島全域でTNRを集中的に行い、野良猫や壱岐市が必要と認めた猫を救済をすることを目的として、新プロジェクト「イキイキさくらねこTNR」の実施を決定。壱岐市と協定書を締結し、人も猫もイキイキと暮らす島を目指し、ともに取り組んでいく。

壱岐島と猫の深いつながり


壱岐島は猫と深いつながりがあるという。

2011年、壱岐市によるカラカミ遺跡(弥生時代の環濠集落遺跡)の発掘調査でイエネコの橈骨(とうこつ=前腕の骨)が発見され、年代測定の結果、紀元前2世紀(弥生時代)のイエネコの骨であることが判明した。

それまでは、考古学的に時代がはっきりとしたイエネコの骨の発見例は、神奈川県の「千葉地東遺跡」で確認された鎌倉時代(13世紀代)のものが最古で、実物資料としては、約1300年の歴史が塗り替えられたそう(※)。

そんな壱岐島で行われる今回のプロジェクト。弥生時代はきっと、人も猫もお互いを尊重し支えあいながら暮らしていただろう。

「日本最古のイエネコの島」で、人と猫がより良い関係を取り戻すための取り組みが12月18日(水)よりスタートする。壱岐島TNR地域集中プロジェクト「イキイキさくらねこTNR」について活動の様子は随時、SNSやメールマガジンで発信していく。

壱岐島の猫を救う新プロジェクト「イキイキさくらねこTNR」を、この機会にチェックしてみては。

※ 参考:壱岐新聞WEB版(2014)「日本最古イエネコの骨 一支国博物館で公開」:https://iki-guide.com/archives/2025 (参照 2024-11-28)

(江崎貴子)

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