
地域交通インフラの課題解決に取り組むWill Smartは、茨城県水戸市の常陽銀行および茨城県笠間市と連携し、12月17日(水)~2026年2月13日(金)の期間、笠間市内全域にて「公共ライドシェア」の実証運行を実施する。
実証運行実施の背景と社会実装の意義
人口減少やドライバー不足により、地方における持続可能な交通手段の確保は全国共通の課題となっている。特に児童生徒の通学・通塾支援は、生活基盤確保を支える移動インフラの維持として地域社会における喫緊のテーマとなっているようだ。
今回の実証は、銀行が地域交通の実装主体に関与する先進事例としても注目されている。金融機関が持つ地域ネットワークと、モビリティテック企業が持つデジタル技術を掛け合わせることで、移動困難地域に対し、より持続可能で柔軟な地域交通モデルを提供する第1歩となるだろう。
実証運行の概要
今回の公共ライドシェアのサービス名は「わかものライド」。対象は、笠間地区・岩間地区・友部地区の一部(大原地区・北川根地区)に住んでいる小学生・中学生・高校生で、保護者の同乗も可能だ。
運行時間は、6:30〜8:00と17:00〜21:00。運行エリアは笠間市全域で、利用料金は距離問わず1回の乗車あたり1人100円となっている。
Will Smartの役割
今回の実証は、7月23日(水)にWill Smartと常陽銀行が締結した協業に関する基本合意に基づく初の具体的な施策。Will Smartは、8月に設立された「地域交通の課題解消検討協議会」での利用者層分析やシステム導入準備の支援を通じて、同プロジェクトの実現に貢献してきた。
同実証においてWill Smartは、データ駆動型・地域交通計画の策定支援を実施。地域概況データの収集・可視化・分析ダッシュボードの構築を通じて、笠間市の移動実態を「見える化」し、交通政策の基盤づくりを支援する。
また、公共ライドシェア・運行支援システムも提供。利用者向け予約システム、ドライバーアプリ、運行管理/予約管理を一体化したシステムを開発し、利用者と配車側(ドライバー)のマッチングを最適化することで、効率的で柔軟な移動サービスを実現する。
今後の展開
Will Smartと常陽銀行は、今回の笠間市での実証成果(利用データ・運用ノウハウ)を活かし、地域公共交通の再設計や政策立案を後押しする。
また、同様の課題を抱える他地域への展開も視野に入れ、「移動」を通じた継続的な社会課題解決に取り組んでいく考えだ。
Will Smartについて
Will Smartは、「移動」を支えるテクノロジー企業。顧客企業との対話を通じて培った経験やノウハウ、最新のソリューションを活用し、モビリティ業界との共創による社会課題の解決に取り組んでいる。
特に、デジタル技術を活用した既存業務の無人化や自動化に強みを持ち、バスターミナルにおけるバスダイヤ統合表示システムの新規開発やEVカーシェアリング・無人レンタカー・ライドシェア等を実現するIoT車載デバイスの提供、バス共同経営を支えるデータ分析基盤の構築など、幅広い分野での支援実績がある。
デジタル技術と地域ネットワークを活用した「新しい公共交通のかたち」の社会実装に挑戦する取り組みに注目だ。
Will Smart HP:https://willsmart.co.jp
(Higuchi)