
官民学が連携し、防災・物流・教育分野におけるドローン活用の社会実装を推進する、KOBEモビリティフィールド協議会(以下、KMFC)は、国土交通省の令和7年度「ドローンを活用した災害物資輸送に関する調査等事業」の採択を受けた事業として、災害時における支援物資輸送体制の強化を目的とした複合型物資輸送訓練を実施した。
海陸空連携で挑む新たな物資輸送モデル
南海トラフ地震や高潮災害等が発生した場合、海上からの支援物資輸送が滞り、被災地への迅速な物資供給に大きな支障をきたすことが懸念される。実際に、阪神・淡路大震災においては、神戸港が甚大な被害を受け、船舶による物資輸送が途絶したという教訓がある。
同訓練では、こうした過去の教訓を踏まえ、災害時に船舶が着岸できない状況を想定し、停泊中の船舶からドローンを用いて陸上拠点へ物資を輸送する訓練を実施。さらに、陸路が遮断された状況を想定し、物資集積所から避難所までドローンによる物資輸送を行うことで、海上輸送・陸上輸送・ドローン輸送を組み合わせた新たな支援物資輸送モデルの実効性を検証した。
海陸断たれても届ける、ドローン活用の新輸送訓練

1月22日(木)、23日(金)には、船上訓練を実施。災害時に港湾施設が被災し船舶が着岸できない状況を想定し、停泊中の船舶に積載した支援物資をドローンで陸上へ輸送、神戸港内の指定された集積地点へ集約する。これにより、海上輸送が滞った場合においても、船舶とドローンを連携させた新たな物資集積手法の有効性や、運用上の課題、安全性を検証した。
1月28日(水)、2月4日(水)には、里山訓練を実施。災害時に避難所として利用され、あわせて支援物資の集積拠点としても機能する里山を訓練場所とした。地震や豪雨等により周辺道路が分断され、車両による物資搬送が困難となった状況を想定し、ドローンを活用して物資集積所から避難所へ物資を輸送することで、陸路に依存しない新たな物資輸送手段の有効性と運用上の課題を検証した。
産官学連携で進む防災ドローン活用
同事業には、兵機海運、日本コンピューターネット、TOA、ソフトバンク、尾道工業、中村工業が参画する。また、神戸市公園緑化協会も、物資集積所および避難所の提供を担い、陸地訓練を先導する役割として参画する。
KMFCは、2022年の発足以来、防災分野を中心にドローンの社会実装を推進してきた。TOA製のスピーカーを搭載したドローンを活用した防災訓練への参加や、神戸市・TOA・日本コンピューターネットとの防災協定締結など、実践的な取り組みを進めている。加えて、大学や民間企業と連携し、防災のみならず教育分野におけるドローン活用にも取り組んでいる。
今後もKMFCは、同訓練で得られた知見をもとに、災害時における実効性の高い支援物資輸送体制の構築と、地域の安全・安心に資する取り組みを継続していくという。
今回の訓練を通じて、KMFCの取り組みが防災モデルの先駆けとなることを期待したい。
KOBEモビリティフィールド協議会公式サイト:https://kobemfc.com
(suzuki)