
長野県松本市の柳沢林業が、森と暮らしをつなぐ参加型のプロジェクトを2月18日(水)よりクラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」にて公開している。このプロジェクトは、豊かな森を未来につなぐために、支援者を“チームメンバー”として迎え、ともに取り組む参加型の挑戦。単なる購入支援ではなく、変化のプロセスそのものに参加し、ともに創り上げていくことを目指しているとのことだ。
人と森との関わり方を考え、実践するきっかけに
今回の挑戦は、「これからの時代を、森とどう付き合っていくのか。」多くの人が森との関わり方を考え、実践するきっかけをつくりたいとの想いから始まった。
木材価格の長期低迷や山林所有の複雑化により、現代の林業は厳しい構造環境にある。信州・松本平も例外ではなく、アカマツ中心の森林は、松くい虫被害の拡大や歩留まりの低さといった課題を抱え、従来の流通構造では十分な収益を確保しにくい状況にある。

「めぐみ、めぐらすプロジェクト」が掲げるビジョン
一方、松本平の森林は多様な植生に富み、森が人の暮らしのすぐそばにあり、伝統行事や建築文化にも木が息づき、森と人の営みは長い歴史の中で強く結びついてきた。柳沢林業はこの地域特性に着目し、森の価値を再編集する取り組み「めぐみ、めぐらすプロジェクト」を推進。2021年には、取り組み自体が「未来を育む持続可能な地域デザイン」として評価され、グッドデザイン賞を受賞した。

モノクロ部分は、現在、事業が停止している
現代の林業は、豊かな森を育てようとすると、生産コストと木材市場価格が見合わない課題があり、柳沢林業の取り組みも一部停止せざるを得ない状況となっている。“森の入口”となる里山の営みが止まってしまったことは、森へ向かう大切な入口が閉ざされてしまうことを意味する。今回のクラウドファンディングでの支援は、この“里山の再起動”のためのエネルギーとなる。
“チームメンバー”を募集
今回のクラウドファンディングプロジェクトで募っている“チームメンバー”とは、森と暮らしをつなぎ直す未来をともにつくる仲間とのこと。事業を共創する企業、発信を広げてくれる人、日常のなかで森の話題を届ける人、関わり方は自由であるが、目指す未来はひとつ。
一年を通して届ける会報や、SNS上では、森で起きている変化や事業の進捗、現場での試行錯誤を発信し、寄せられた声を事業や商品づくりに反映。さらに森へ足を運べる人とは、“森との付き合い方”を学びあいながら、ともに新しい展開をつくり出していくとのことだ。
ナイフブランド FEDECA との共創

「刃物で遊ぶ文化をつくる!」を掲げるナイフブランド・FEDECAとの共創から生まれた「信州・松本平セレクション」は、松本平の森の多様な樹種、大切に守られてきた御神木や、想い出の木を使用。一般的な市場では規格外とされてしまうような木にも、一本一本に生きてきた物語がある。木を単なる素材としてではなく、その背景や物語までを届けるプロダクトとして展開している。
森を五感全てで体験

江戸川学園取手中・高等学校では、校内のコミュニティーホールに、天然木のシンボルツリーと、色とりどりの薪のベンチ、個性的な木目の表情を持つテーブルを設置した。

シンボルツリーは生徒たちから「コミホのツリー」と親しまれ、その後、「コミホのツリーの“故郷を見に行こう”」という呼びかけに、有志約30名が参加。松本の森への体験ツアーを実施し、林業の現場見学や枝葉の採集、製材工程の見学や、森でのアクティビティを楽しみ、森を五感全てで体験。その後の文化祭では、採集した枝葉から抽出した精油や板材を活用した、生徒×柳沢林業の出店を企画したとのことだ。
100年先も豊かな森と暮らしが続くように
柳沢林業は、長野県松本市で60年以上にわたり、山と向き合ってきた木こりの集団だ。「木を活かすことは山を生かすこと」という考えのもと、山の木の適切な整備を行うことで、多くの生き物が暮らせる豊かな環境を未来につないでいる。山は命の源。木を活かすことは、その土地の文化と未来を守ること。また、今回のプロジェクトを通じて、100年先も豊かな森と暮らしが続く仕組みを育てていきたいとのことだ。
柳沢林業のプロジェクトをチェックしてみては。
CAMPFIRE:https://camp-fire.jp
プロジェクト名:【あなた×柳沢林業】暮らしの中から森を支える実践プロジェクト
公式Instagram:https://www.instagram.com/forester1964yanarin
公式HP:https://yanagisawa-ringyo.jp
(熊田明日良)