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株式会社ことのは

インターネット放送局「ことのは」開局のお知らせ

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文明・人間・日本を語る「動画の総合雑誌」が誕生いたします

若手・中堅主体の学術交流機関「「日本文明」研究フォーラム」(代表:川久保 剛)は、9月から、現代日本を代表する論客を配信者に迎えたインターネット放送局「ことのは」(https://www.kotonoha-rondan.com/)を開局し、公式ホームページを通じて番組を配信致します。文明・人間・日本を語る「動画の総合雑誌」の実現を目指して参ります。

「ことのは」とは何か

 「一億総SNS時代」と言われる今のインターネットでは、ハッシュタグなどを用いた党派的な動員、そしてオンラインサロンなどによるファンの囲い込みばかりが毎日のように、それこそ刹那的に行われています。情報の加速度的増大の中で、いつも誰かが感情を爆発させて絶叫している。そうかと思えば、「この情報を買って頂ければあなたも必ずお金持ちになれる」といった、嘘か本当か判らない情報商材めいた話が毎日出回っている。「SNS疲れ」と言われる現象が起こるのも無理はありません。
 現代日本人は、何を指針にして生きていけば良いか、分からなくなっている。それぞれ新しい価値の宣伝ばかりが喧しいけれど、みんなその価値を振り回して争うばかりで、誰も価値の基盤となるものを深く考え、議論しようとしない。悲しいことに、学者たちや知識人たちですらその「炎上」に加担している節がある。
かくして現代は、息の長い知恵を持つことが難しい時代になってしまいました。
 -最早、論壇というものは存在していない。あるのは、個人と個人が繰り広げる果てしないバッシング闘争と、新しい生き方だの意識のアップデートだのを振りかざして人を煽る炎上商法だけだ。
 そんな現状を憂いた私たちは、3年前に「日本文明」研究フォーラムを立ち上げました。若手研究者を中心とした小さい規模の団体ながら、人文学や社会科学の最新・最良の成果のうちに、私たちが大切にすべき価値の基盤を探る試みを続けてきたのです。
 そして、昨年より続くコロナ禍の中、社会が未だ上手く動けないでいる令和3年。
 この世界史的苦境に当たり、私たちは今まで培ったノウハウを以って、ささやかながらも時流に抗う時が来たと確信しました。
 熟考の末、導き出された結論は、脊髄反射的な反応を止めるためには、じっくりと議論を聞いて明日を生きるための指針を得られる場所をインターネットに作るということでした。
 その名も、「ことのは」。
 その由来は、日本の古語です。皆さんが生き生きとした言葉の魂を得られるような場所にしたいという思いを込めています。
 「ことのは」は、自らの言葉を持つ人々の動画を集め、皆さんにお届けするためのオンライン放送局です。全てが加速度的に転変する現代の情報化社会において、それぞれに異なる私たちが争い合わずに生きるために、「文明」=「私たちが共に生きるための共同的な価値の地盤」の形を常に求めたいと私たちは考えています。
 地層の奥底を網の目のように流れる地下水脈は自然に集まれば河川となり、人が掘り起こせば井戸となり、人々の営みの元になる。そして、水を分かち合うための知恵は、人々の生活を絶えず繋ぎ直し、人々の心を支える−私たちは、皆さんとその原点に還りたい。そこで、知恵の言葉を分かち合うために、知恵を探求する様々な人に思い思いに語ってもらう場所を用意したいと考えました。インターネットが最たる文明の利器となった今、それには動画という手段が最適です。定期購読の月刊誌のように、月額1200円のみを頂きます。その金額で、そこに全てがあるように、全ての番組を見られるようにいたします。
 私たちの共有資源たる思想や文学や歴史や藝術に学び直し、教え合い、背中を押してくれる言葉を一緒に探す−そんな「文藝復興」の精神に立つ「動画の総合雑誌」を目指していきます。

 「ことのは」では、現代日本を代表する学者や知識人がそれぞれ個別に自らの番組を持ち、自ら配信者を務めます。番組配信者となる方々は、各番組の司会者・進行役として、毎回ゲストを招きながら、対談形式で自由闊達に言葉を交わし、番組を進めていきます。
 私たちは、言葉に魂を持つ人々が思い思いに語り、それらが響き合う場所を創りたいと考えています。それで、放送局全体の中心となる番組配信者は、敢えて置かないことに致しました。
というのも、見える世界の異なる様々な語りの中に通底するもの、語りと語りの間で響き合うものこそ、「文明」=「私たちが共に生きるための共同的な価値の地盤」だと私たちは考えるからです。文明というものは、周辺なくして至る所に中心を持つ球の如き無限の世界においてそれぞれ別々に生きる人々が、魂の奥底で感得する共鳴なのです。
 私たちの生活の源となるのは、大地の底を流れ、やがては河川となり井戸となる地下水脈の流れです。それと同様に、人々が資源を分かち合い、お互いに支え合うための言葉にも必ず、その還るべき原点となる「文明の地下水脈」があります。知恵のかそけき気配は、皆さんの魂にも届いているはずです。そしていつの日も大切なのは、その響きを上手に、そして確かに、聞くことでしょう。
 番組配信者達は、その導き手です。彼らはそれぞれの仕方で、堆積した歴史の地層の奥深くを悠々と流れる「文明の地下水脈」の微かな響きに耳を傾け、それを明日のより良い暮らしのために掘り起こす役目を担います。それぞれの地下水脈は、思わぬところで繋がっているかも知れない。
 視聴者の皆さんには、各々の番組を御視聴頂く中で、そんな愉しい予感を感じ取って頂きたいのです。
 当放送局の開局に際して番組を担当する配信者の方々です(「ことのは」では差し当たり、一般に文明、人間、日本を広く語る「ことのは論壇」と、特に教育者の方に向けた「教育プラットフォーム」の二つのコーナーを開設する予定です。今後、各種の研究会や文化団体等にそれぞれの番組を担当して頂くコーナーも開設予定です)。

会田弘継(関西大学客員教授)「新・黒船の時代」(論壇)
「黒船と敗戦に象徴されるように日本近代は大きく「アメリカの影」に覆われてきました。20世紀後半以降、それは日本に限らず多くの国々にとっての現実だったかもしれません。そんな視点を折り込んで、日本と世界の行方を考えていきましょう。」

井上義和 (帝京大学教授) 「特攻文学を読む」(論壇)
「戦争体験をもたない書き手による、特攻隊を主題としたフィクションである「創作特攻文学」。1990年代以降に多くつくられ、映画や舞台にもなりました。このジャンルで文学的想像力は何を描こうとしてきたのか、具体的な作品を読みながら考えてみましょう。」

貝塚茂樹(武蔵野大学教授)「「戦後日本」の探求」(論壇・教育)
「コロナ禍は、日本社会の様々な歪みと欠陥を可視化させました。それは、「戦後日本」に内在した根本的な課題の拡散と肥大化と言えます。歴史、教育、宗教、道徳という観点を中心として、改めて「戦後日本」の来歴と未来を考えて見たいと思います。」

片山杜秀(慶應義塾大学教授)「搦め手から」(論壇)
「論壇即活字メディアという時代が長かったように思うのですが、近年では残念なことに長い文章を読む習慣が社会的にどんどん失われてきているのではないでしょうか。それは残念なことですけれど、論壇の壇は三次元空間ですし、論壇の二文字は壇上弁論と繋がっていると思えば、書くよりも喋る時代に、?外や漱石よりも円朝や音二郎の時代に戻るつもりでやるときなのでしょう。よろしくお願いします。」

苅部直(東京大学教授)「<日本>の思想文化」(論壇)
「このフォーラムは日本語で行われますが、「日本」の内輪の常識にとらわれた場ではありません。世界のさまざまな文化に開かれた視野と、普遍的なものへの問いを念頭に置きながら、これまでの考え方を見直し、「日本」の文化と伝統のなかから、未来へとつながる知恵を汲みだそうとする試みです。多くのみなさまがこの営みに加わってくださることを願っています。」

河野有理(法政大学教授)「思想の領分」(論壇)
「「わが日本古より今に至るまで哲学なし」。中江兆民のこの言葉は、哲学を「真摯で面白い思考の営み」の意とするなら、誤りです。かつての日本人たちの、至極まじめで(だからこそ)面白い思考の冒険を一緒に追体験してみませんか。」

佐伯啓思(京都大学特任教授)「現代文明論講義」(論壇)
「高度な情報技術、グローバル市場、民主的な政治体制、国民的文化、そのどれもが今日、危機的な様相を深めています。この現代文明の様相を、それぞれの立場から論じ、また、日本文明の可能性を探るという知的な冒険を、皆さんと共にできることを願っています。」

施光恒(九州大学教授)「新日本国家論」(論壇)
「「ダイバーシティ」、「インクルージョン」、「多文化共生」……。マスコミや大学では、私たちが大切にすべき価値を表す言葉として最近こういうものがよく持ち出されます。確かに重要ですが、私たちの日々の生活から紡ぎだされた言葉ではありません。もっと腑に落ちる言葉で「共同的な価値の地盤」を探っていきたい――。そう考えています。」

先崎彰容(日本大学教授)「知性の相貌」(論壇)
「日本では政治、文化、言論、いずれの力も弱まっています。政治への市民の関心は地に堕ち、文化は趣味程度の嗜好品となり、言論がもつ影響力は島宇宙化しています。つまり世界は今、断片化している――この閉塞感を打開するために、先人の「智」を携え、現代社会を斬ってみようと思います。」

高宮正貴 (大阪体育大学教授) 「教育の玉手箱」(教育)
「この番組では、秘密にしておくにはもったいない最先端の教育学的知見や教育実践を紹介し、みなさまと対話します。それによって、「教育学」「学校の先生」「公衆(世間)」の3者、つまり教育をめぐる学問知・実践知・世論をつなぎ、教育的知のプラットフォームの形成を目指します。」

古川雄嗣(北海道大学旭川校准教授)「新日本教育論」(論壇・教育)
「思想とは、人間にとって「本当に大切なもの」は何かを問う営みであり、そこには本来、「保守」と「リベラル」の対立などありません。両者の垣根を超えて、「大切なもの」を破壊し尽くそうとする現代日本の虚無主義者たちに立ち向かおうではありませんか。」

與那覇潤(歴史学者)「リハビリする歴史」(論壇)
「大学のカリキュラムの厳格さと、SNSの喧騒の無秩序さの中間でこそ、正しい意味での「対話」は機能する。平成期に挫折を繰り返してきた、そうした空間の創出に、今度こそ、みなさんとともに挑めるなら幸いです。」

 「ことのは」開局記念第一弾に、東日本大震災以後の代表的論客である先崎彰容氏と與那覇潤氏の対談動画を収録させて頂きました。
[動画1: https://www.youtube.com/watch?v=MdG51RSQQn4 ]

 「ことのは」開局記念対談第二弾に、施光恒氏と、古川雄嗣氏の対談動画を収録させて頂きました。

[動画2: https://www.youtube.com/watch?v=rzA1lYwYDDg ]

 以降も複数の開局記念対談を配信していきます。 乞うご期待ください。
「ことのは」は、生放送および録画放送の全ての番組を月額1200円で御視聴頂けます。この金額は、今後番組が次々と増える場合においても変えません。
 思想、歴史、文学、藝術、教育を軸としてあらゆるテーマについて縦横無尽の会話がなされる本放送局は、新たな論壇の創造を「動画の総合雑誌」という形の元で目指していきます。そこで価格もまた、一般的な月刊誌の価格帯と近付けることに致しました。皆さんには、普段購入する雑誌をもう一冊だけ増やして頂くような気軽さで、サブスクライブ登録して頂きたいのです。
 月額1200円で、そこに全てがある−これが私たちのプラットフォームの目指す姿です。
 一冊の中に、様々な話題や議論が詰まっており、様々な知恵が込められている−総合雑誌の魅力とは、そのような性質に他ならないでしょう。一見関係の無いようにも見える多種多様な話題や議論の集積を繋ぐように、幾条もの光の如く闇を裂く洞見が貫いて走り、やがてその全体に私たちを鼓舞する気風のようなものが立ち現れる。優れた雑誌とは、まさにそのようなものではありませんか。「ことのは」もまた、動画配信プラットフォームという形式において、「ここに来ればまた明日を生きるための知恵を得られる「動画の総合雑誌」を」お届けすることを目指して参ります。
 知恵を探求する人々の言葉に静かに耳を傾けることが出来る場所、その言葉の魂について互いに教え合い話し合える場所、背中を押してくれる言葉を一緒に探すことが出来る場所を作ること。私たちが胸中に抱く「文藝復興」の精神を以って、その実現をお約束致します。

「ことのは」が生まれるまで

 そもそも私たちは、平成31年(2019年)4月に設立した学術交流団体「「日本文明」研究フォーラム」(https://www.nihonbunmei.com/)の3年弱に及ぶ歩みの中で、「日本文明」の理念を追求し続けて参りました。
 本フォーラムは、設立以来現在10回を数える書評コロキアム・対話シンポジウム、そして今後も陸続と計画されている学術的催事において、立場と領域を超えた対話を成し遂げていると自負しております。
 国体論から資本論まで、およそ我が国の文明の在り方に関わる事象を、その実態と本質において捉え直すその営みは、あたかも峻厳たる山々に踏み入っては大地に鶴嘴を突き立て、地下水源へと遡行するように果敢に行われて参りました。そこから滾々と湧出する清水は、やがて現代世界における人間的生を逆照射するように、光を集めて耀く。取り扱う題材も全く異なるイベントの各々は時局の喧騒を離れて共鳴し、「文明」=「私たちが共に生きるための共同的な価値の地盤」の姿を垣間見せてくれました。
 これまでは運営の都合上、埋もれた「文明」の形を掘り起こすこの試みは、同人および少数の一般参加者に限って開かざるを得ませんでした。しかし設立より3年目を迎えた今、多くの識者の方々の御賛同と御協力を賜ることが叶いました。
 最早、時は熟したと確信しております。
 私たちは、この切なる希求をより多くの人々へと拡げるために、このいささか反時代的ですらある事業を恢弘するために、この度、有料動画配信事業の開始に踏み切ることに致しました。

「日本文明」研究フォーラムのイベント一覧

「株式会社ことのは」について

 放送局の運営を担うのは、「株式会社ことのは」(令和3年8月12日設立・代表取締役=川久保剛(麗澤大学教授)・本社住所:104ー0061 東京都中央区銀座1丁目22ー11 銀座大竹ビジデンス2階)です。本事業のために、代表川久保は会社を設立致しました。
 「株式会社ことのは」の理念は、「学術支援会社」です。ここで言う「学術支援会社」とは、国の科学研究費や民間の各種助成金に頼ることなく、自前で資金を獲得して次世代の研究者を育成・支援する企業のことを指します。
 実の所、学術支援を事業目的とする営利企業は、医学や法学などの分野においては現状少数ながら既に存在しております。しかし私たちの事業の特色は、支援する当の対象である学術的な情報を、一つの知的コンテンツとして体裁を整え、一つのプロダクトにして提供・販売する点にあります。それも、「文明の利器」の制作と活用を担う所謂「実学」ではない、「文明」=「私たちが共に生きるための共同的な価値の地盤」を担う人文・社会科学において、この事業を行わんとするものです。
 その方針に基づき、「株式会社ことのは」の収益は、1.放送局の運営、2.「日本文明」研究フォーラムの運営、3.若手研究者支援に当てることに致します。

川久保剛(かわくぼつよし) 株式会社ことのは 代表取締役
昭和49(1974)年、福井県敦賀市生。上智大学卒業。東北大学大学院博士課程単位取得。
現在、麗澤大学教授。「日本文明」研究フォーラム代表。専門は思想史。
著書に、『福田恆存:人間は弱い』(ミネルヴァ書房、2012年)、『日本思想史ハンドブック』(共著、新書館、2008年)、『総特集・福田恆存』(共著・編集協力、河出書房新社、2015年)、『方法としての国学』(共編著、北樹出版、2016年)、『道徳教育の理論と方法』(共著、ミネルヴァ書房、2020年)、『ハンドブック近代日本政治思想史』(共著、ミネルヴァ書房、2021年)、『道徳教育はいかにあるべきか』(共著、ミネルヴァ書房、2021年)、『道徳教育の変遷・展開・展望』(共著、学文社、2021年)など。

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