国内初*、複数の専門AIと顧客固有データ基盤を一体提供。化学素材の用途探索から顧客候補抽出、改良提案までを一気通貫で支援
Cataris株式会社(読み:カタリス、本社:東京都港区、代表取締役CEO:松本悟志)は、化学素材業界向けAIプラットフォーム「Cataris」の提供を2026/5/11から開始します。本サービス提供開始に際し、より多くのユーザー様に体験いただけるよう、2026年5月13日(水)から15日(金)にインテックス大阪で開催される「高機能素材 Week[大阪]」内の「サステナブル マテリアル展」での展示を予定しています。
「Cataris」は、複数の専門AIが最新の外部データと顧客固有データを横断活用し、素材の構造的特徴を踏まえた新規用途候補の仮説立案、顧客候補の抽出、目標物性に向けた改良提案までを一気通貫で支援する、化学素材に特化したDeep Research型AIエージェントです。

本サービスは、化学素材業界向けに複数の専門AIと顧客固有データ基盤を一体で提供し、用途探索から顧客候補抽出、改良提案までを一気通貫で支援する国内初*の提供形態です。
* 2026年4月6日時点、当社調査。公開情報を対象に調査。
■ 化学素材産業を取り巻く環境変化
近年、化学素材産業を取り巻く環境は大きく変化しています。経済産業省は、素材産業を産業競争力を支える基幹産業と位置づけ、GXや経済安全保障を踏まえた競争力強化を重要課題としています。高市内閣の成長戦略でも、17の戦略分野ごとに官民投資ロードマップの策定が進められており、マテリアル分野では「AIなどを活用した複合新素材」が重点テーマの一つとして位置づけられています。また、文部科学省もAI for Scienceの推進方針を打ち出しており、研究開発プロセス全体でのAI活用が加速しています。こうした流れを背景に、化学素材業界でも、研究開発と事業推進をつなぐAI活用の重要性が高まっています。
■ 化学素材業界が抱える課題
【業務課題】
化学素材の用途探索や開発提案業務は、化学・素材・用途・市場にまたがる幅広い知見が必要であり、業務が属人的かつ長期間にわたって遂行されてきた領域です。加えて、顧客要望や想定用途に対する素材の改良提案では、営業現場で得られる顧客の声と開発部門が持つ開発知見が分断されやすく、サンプル品の改良開発の方向性決定に工数がかかることも課題となっています。「Cataris」は、こうした属人的で分断されやすい実務フローを、AIエージェントによって前に進めるために開発されたサービスです。
【技術課題】
従来、化学素材の用途探索は、汎用LLMやRAG、Web検索を用いた情報収集や候補用途のアイデア出し、過去の社内ドキュメントからの情報抽出で止まりやすく、その先の科学的根拠の整理、用途規模の評価、顧客候補の特定、素材改良方針の検討は人手に戻ることが少なくありませんでした。
さらに、化学素材の用途探索や開発関連業務では思考の発散と収束を複雑的に処理を行う必要があり、従来法の1つである汎用LLM+RAGでは「探索空間が広がりにくい」、「既知パターンに収束しやすい」といった課題により業務適用が難しい技術的ハードルがありました。「Cataris」は、この技術的な断絶を埋めることを目指して設計されています。

■ Catarisについて
【Catarisで実現できること】
「Cataris」は、開発済み素材や関連特許・論文などを起点に候補用途と想定要求物性を洗い出し、用途規模や顧客候補を提示します。加えて、目標物性や顧客要望を追加インプットすることで、用途ごとの要求に応じた改良提案を支援します。例えば、構造変化や添加剤・処方の方向性を含む改良仮説の検討を通じて、サンプルワークや開発初期段階の効率化を後押しします。
具体的なユースケースとしては、次のような活用を想定しています。
1つ目:既存素材の用途探索
開発済みの樹脂や添加剤などの機能性材料について、関連論文・特許・市場情報・企業情報を横断し、候補用途、用途ごとに求められる物性、顧客候補を整理します。

2つ目:顧客要望に対する改良提案
たとえば耐熱性、透明性、加工性などの要求に対し、関連知見を踏まえながら改良仮説や検証論点を初期段階で提示し、開発の方向づけを支援します。

【技術的な特長】
「Cataris」の最大の特長は、化学素材開発と事業推進に特化した仮想開発空間上で、用途探索から顧客候補抽出、素材改良提案までの業務をAIと一気通貫で前に進められることです。
また、候補用途を単なるアイデアとして提示して終わるのではなく、科学的根拠の整理、事業性の示唆、さらに素材の改良提案までを同じ基盤上でつなげて進められる点も特長です。


その中核には、親AIのもとに複数の専門AIを配置するマルチエージェント構成を採用しています。親エージェントがタスク全体を統括し、サブエージェントが素材、論文、特許、企業、物流など、役割ごとに異なるデータベースへ接続して情報取得と推論を分担します。これにより、LLM単体では保持しづらい最新データを取り込みながら、素材特性の理解から用途仮説、顧客候補、改良提案までを支える高度な推論処理を実現します。

【活用するデータ基盤】
「Cataris」は、化学素材の用途探索や改良提案に必要な外部データを横断活用できるよう設計されています。例えば、2.4億件超の学術文献データ、1.2億件超の特許公報、30億件超の国際貿易統計、国内上場企業を対象とした開示情報を参照可能な環境をもとに、複数の専門AIが分業して情報取得と推論を実行します。これにより、単なる検索結果の要約ではなく、素材の特性理解、用途仮説、顧客候補、事業性の示唆をつなげた出力を目指します。

【単なるAIアプリではなく、企業ごとに育つカスタム型AIエージェント】
「Cataris」は、用途探索AIや改良提案AIといったアプリケーション(SaaS)を提供するだけではありません。開発者とAIの相互入出力、素材情報、検討履歴、出力結果など、顧客固有の素材事業に関するコンテキストデータを自動で整理・圧縮・蓄積し、再利用できるAIデータ基盤と内部処理まで一体で提供します。蓄積されたデータは、新たに立ち上げるAIエージェントにも引き継がれるため、使うほど各社の素材事業や業務フローに最適化された出力が可能になります。
さらに、顧客ごとの素材事業の特徴や業務フローに応じて、個別のAIエージェントをカスタマイズで立ち上げられる点も特長です。

■ 先行利用企業様の声

KHネオケム株式会社 知的財産部 小倉陽祐 様
【先行版/PoCで取り組んだテーマ】
当社が取り扱うオキソ製品について、新規用途候補を発掘することを目的に、Cataris社の用途探索AIエージェント先行版を用いたPoCを実施しました。市場・技術の両面から新規用途の仮説を創出し、顧客検証に進める候補の整理までを対象としました。
【導入前の課題】
用途探索の初期仮説を作成するための調査では、市場調査、特許・文献調査がツールや手順として分断されており、情報収集に時間がかかっていました。さらに、集めた市場情報と技術的な根拠を照らし合わせ、事業化の可能性を評価し整理する作業にも工数を要していました。加えて、汎用AIを用いた場合は、情報品質や根拠の明確さの面で十分とは言えない点がありました。
【成果や変化】
「Cataris」では、市場・文献・特許の情報をAIエージェントが横断して調査・整理できるため、仮説立案までのスピードが大きく向上しました。当社製品はニッチで情報量も限られますが、当社保有データと外部データを組み合わせて分析することで、技術面から製品の本質的な価値を整理し、新規用途候補を抽出できました。さらに、市場側の価値仮説もあわせて検討できるため、顧客ヒアリングに向けた準備を効率よく進められました。
【Catarisへの今後の期待】
「Cataris」で得られた仮説は、顧客の生の声やフィードバックを反映することで、さらに精度と実行性が高まると考えています。一方で、提示された用途の中には意外性が高いものもあり、社内ネットワークだけでは適切な顧客候補に到達しづらい場面も想定されます。今後更にユーザーが増え、用途仮説に合う企業・担当領域へ繋がれるマッチング機能や連携等まで強化されると、より実効性の高いツールになるのではないかと期待します。
■ 会社概要
会社名:Cataris株式会社
設立:2025年4月
住所 東京都港区虎ノ門2丁目2-1
代表者名 松本悟志
web:https://cataris.ai/
お問い合わせ先:info@cataris.net