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日本広報学会

日本広報学会、上場企業経営者20社インタビュー調査結果を公表  広報を「経営機能」と認識する一方、企業実務には4つのギャップ

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-2024年調査では経営者の95.2%が広報を「経営機能」と認識。今回のインタビュー分析で、戦略・組織・活動・評価の4領域にギャップが見えた-

日本広報学会(会長:西井孝明)は、創設30周年記念研究プロジェクトの一環として、上場企業20社の経営者を対象に実施したインタビュー調査の結果を公表します。

今回の調査では、広報を「経営機能」と認識する経営者が多い一方で、企業実務の現場では、広報の役割や期待、評価をめぐって複数のギャップがあることが見えてきました。分析の結果、ギャップは戦略・組織・活動・評価の4領域に整理されました。

本研究は、日本広報学会が2023年に発表した広報の定義、すなわち「組織や個人が、目的達成や課題解決のために、多様なステークホルダーとの双方向コミュニケーションによって、社会的に望ましい関係を構築・維持する経営機能」を前提に、企業経営の中で広報がどのように理解され、運用されているのかを検討するプロジェクトの一環として行われたものです。

2024年には上場企業経営者を対象としたアンケート調査(回答者207人)を実施し、95.2%が広報を経営機能と捉えることに賛同しました。一方で、広報に対する期待と、実際の企業運営の間には約30ポイントの差がみられました。

今回のインタビュー調査は、その背景をより具体的に把握するため、前年度のアンケート回答者に依頼し、上場企業20社の経営者(経営トップ/広報担当役員)を対象に実施したものです。インタビュー内容の分析と研究チーム33名での議論を通じて、経営者の広報に対する期待と現実の間にあるギャップは、4つの領域に分類できることが分かりました。具体的には、次の通りです。

- 【戦略面】 「戦略関与」ギャップ広報が経営戦略の策定や経営の意思決定に十分に関与できていない。
- 【組織面】 「組織位置づけ」ギャップ広報部門の役割や権限、担当範囲の位置づけや組織設計が、企業内で十分に整理されていない。
- 【活動面】 「ニュース化期待」ギャップ広報活動がメディア露出を中心に理解され、ニュース化への期待と実務の現実(活動理解)の間にズレが生じている。
- 【評価面】 「成果基準」ギャップ広報活動の成果をどのような基準で捉え評価するかについて、経営側と実務側の認識に差がある。

インタビューでは、広報の役割がメディア対応やパブリシティに限定して理解されているケースや、広報の成果が告知効果などの指標で評価されているケースなど、企業広報をめぐるさまざまな経営者の認識が語られました。その一方で、広報に対してより戦略的な関与を期待する声も聞かれました。

なお、今回のインタビュー分析からは、広報の位置づけが企業ごとに異なり、経営への統合のあり方にも段階差がある可能性がうかがえました。この点については、あくまで経営者発言に基づく仮説的整理であり、今後さらに検討を深める予定です。

本研究は、20社へのインタビューに基づく探索的な分析であり、日本企業全体の傾向を断定するものではありません。ただし、経営者の語りを整理することで、企業広報をめぐる期待と現実のギャップの構造を示す材料を提示しています。

本研究プロジェクトは、企業広報の役割が変化する中で、広報機能をどのように経営の中に位置づけていくのかという議論を進めるための基礎資料となることを目的としています。今回の分析結果は、広報の役割を従来の情報発信の枠にとどめず、企業経営との関係の中で捉え直す必要性が意識され始めていることを示唆しています。こうした状況は、広報という職域のあり方とともに、研究領域としての検討課題の広がりを示唆するものとも考えられます。詳細は、2026年3月17日の公開シンポジウムおよび日本広報学会の公式サイトなどで発表予定です。

【参考】30周年記念事業「経営者インタビュー」調査結果報告シンポジウム(2026年3月17日開催)
 https://www.jsccs.jp/activity/report/30-5.html

《日本広報学会について》 
日本広報学会は、広報の学術的および実践的な研究と理論の体系化などをめざして1995年に設立された学術団体です。研究者・実務者など715名(2026年3月2日現在)が会員として参加しています。

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