Surfsharkによる最近の分析によると、最も人気のある4つのAIチャットボットはすでに13か国で政府による特定のサービスを対象とした禁止措置を受けていることが分かっています。DeepSeekは世界で最も頻繁に制限対象となっているチャットボットであり、次いでGrokとなっています。

AIチャットボットは開発国に関わらず制限を受けていますChatGPT、Gemini、Grok、DeepSeekは60以上の地域で利用できない、あるいは制限または禁止されている状態であり、世界人口の約40%がその影響を受けています。
世界上位4つのAIチャットボットのうち、3つ(ChatGPT、Grok、DeepSeek)が少なくとも特定のサービスを対象とした禁止措置を受けています。これらのチャットボットは、開発元(例:Google)が過去に制限されていたため新規製品の市場投入ができなかったケースを除き、13か国で計14回、政府による禁止措置を受けました。 これらの禁止措置は多くの場合、セキュリティ上の懸念が根拠とされていますが、独裁国家で米国製チャットボットが一貫して存在しない事実から政治的な理由の存在が伺い知れる。
「AIチャットボットに対する規制は現時点ではまだ始まったばかりであり、今後さらに増える可能性が高いでしょう。このパターンは目新しいものではなく、新興技術が導入されるタイミングでは同様の懸念が見られることがよくありました。ここでの主な問題はデータセキュリティです。これらのシステムがどのような情報を収集し、そのデータがどこに保存され、どのように使用される可能性があるかについては、まだ不確定です。AIツールと共有される機密情報の量が増えるにつれ、政府はプライバシーリスクと、扇動やプロパガンダなどのデータの悪用の可能性に対する懸念を強めてきています。」と、Surfsharkの最高セキュリティ責任者であるTomas Stamulisは述べています。

Surfsharkの最高セキュリティ責任者であるTomas Stamulis
DeepSeekは最も頻繁に制限対象となっているAIチャットボットです
中国企業による大手AIチャットボットの1つであるDeepSeekは、イタリア、韓国、オーストラリア、台湾、ベルギー、チェコ、オランダ、カナダ、および米国のいくつかの州を含む、9か国以上で頻繁に禁止措置を受けています。これらの地域は、セキュリティリスクを理由にDeepSeekを禁止するか、部分的に制限しています。この事実は、DeepSeekが最下位に近い順位となっているAI Safety Indexとも合致します。ただし、全国的な禁止措置を取ったのはイタリアと韓国のみであり、他の国は政府のシステムやデバイスでの使用のみ制限しています。これらの課題にもかかわらず、DeepSeekは開発元の中国だけでなく、米国製のチャットボットが利用できない地域でも人気を博しているようです。
チャットボットプライバシー調査によれば、DeepSeekはチャット履歴を含むユーザー入力などの11種類のデータを収集し、必要とされる限り情報を中華人民共和国内に設置されたサーバーに保存すると主張しています。
「ChatGPTやGeminiなど、米国連邦法の下で運営され規制機関と連携している他のAIチャットボットとは異なり、DeepSeekはGDPRなどの同等の法的枠組みの対象外となっています。この監督の欠如によって、責任とデータ保護に関する懸念がさらに強まっています」と、Surfsharkの最高セキュリティ責任者であるTomas Stamulisは述べています。
米国製のチャットボットに対する制限
西側諸国の政府によって初めて一時的にブロックされたAIチャットボットはChatGPTです。2023年3月、イタリアはデータ保護当局が違法なデータ収集と年齢確認システムの欠如を理由に、約1か月間にわたる禁止措置を実施しました。OpenAIは、ChatGPTが利用可能な国と地域の一覧を公開し、ChatGPTが利用できない地域を明示しています。これには中国、ロシア、ベラルーシ、イラン、ベネズエラ、北朝鮮、シリア、キューバなどの独裁政権によって統治されている地域に加え、香港、マカオ、コソボなどの地域が含まれます。計40以上の国や地域がこの一覧から除外されています。
Google Geminiは、2023年3月にBardとしてリリースされ、禁止措置を受けることなく新規市場に進出してきました。まず米国と英国で公開され、5月までに計180の地域をカバーするまでに拡大しました。ただし、EU諸国への参入は、Googleがアイルランドデータ保護委員会から提起されたプライバシーの懸念に対応するまで延期されました。現在、Geminiは約240の国や地域で利用可能です。それでも、中国、ロシア、ベラルーシ、イラン、アフガニスタン、北朝鮮、シリア、キューバ、香港、マカオなどの地域では、いまだに一般のユーザーは利用できません。
Grokは、性的に露骨なディープフェイクを生成できる可能性に関する懸念から、最近インドネシア、マレーシア、フィリピンで禁止されました。これらの禁止措置により数週間にわたってアクセスが制限されました。他の国での調査が続けられる中、新たに制裁措置が実施される可能性があります。また、トルコは2025年、Grokが共有したコンテンツの一部を禁止し、Grokを公式に検閲した最初の国となりました。Grokが利用可能な国の公式の一覧を確認できれば、Grokが利用不可能なその他の地域の特定に役立ったと思われますが、本調査を実施した時点では公式の一覧はまだ公開されていませんでした。
ただし、GrokはXが利用可能なすべての国で利用可能である旨と明記されており、特にXとの連携経由でアクセスする場合、XがブロックされるとGrokも同様にブロックされることが示唆されています。SurfsharkのInternet Shutdown Trackerのデータによると、Grokの公開以降、Xはコンゴ民主共和国、モーリシャス、ウガンダ、タンザニア、インド、ネパール、パキスタン、トルコ、ブラジル、ベネズエラなどの国で16回以上制限措置を受けています。X(旧Twitter)は世界で計78回の制限措置を受けており、8か国(ウガンダ、タンザニア、中国、北朝鮮、イラン、ミャンマー、トルクメニスタン、ロシア)で制限措置が現在も継続中です。
調査方法
本調査は、国または政府によるアクセス制限に焦点を当て、大手AIチャットボットが利用てきない、または禁止されている地域を特定することを目的としました。データは2026年2月5日に収集し、本調査は2月12日までに実施および完了しました。
プロセスとしてはまず、Googleで“X” AND “ban”(「X」AND「禁止」)という検索ワードを使用して検索を実行しました(ここで「X」はAIチャットボットの名称を表します)。GoogleのAIチャットボットはリブランディングされたため、当初の名称である「Bard」と新名称である「Gemini」の両方を使用して検索を実行しました。AIチャットボットが初めて市場に投入された2022年から各年の検索結果の上位10ページを確認しました。また、企業から公式に発表されている、サービスが利用可能な国と地域の一覧を確認し、利用不可能な国を特定しました。そのような一覧が入手できない場合、Apple App Storeを利用して各国のストアでのチャットボットアプリの公開状態を確認しました。
編集注記
Surfsharkは、監査を受けたVPN、認証を受けたアンチウイルス、データ漏洩警告システム、プライベート検索エンジン、オンラインアイデンティティ生成ツールなどの製品を提供しているサイバーセキュリティ企業です。Surfsharkは、CNETとTechRadarから大手VPNとして認定されており、FT1000: Europe's Fastest Growing Companiesランキングにもランクインしています。Surfsharkは、オランダに本社は置き、リトアニアとポーランドに事務所を構えています。Surfsharkの事業とハイライトについては、年次総括をご覧ください。他の研究プロジェクトについては、研究ハブをご覧ください。