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Chainalysis Japan株式会社

チェイナリシス、「2026年 暗号資産犯罪動向調査レポート (日本語版)」を公開

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国家による制裁回避が大規模化したことにより、2025年の不正アドレスへの送金総額は1,540億ドル(前年比162%増)と、過去最高を記録。また、不正送金総額の84%をステーブルコインが占めた。

ブロックチェーン分析企業のチェイナリシス ジャパン株式会社(日本代表:内田 雅彦/本社:東京都千代田区/以下 チェイナリシス)は、「2026年 暗号資産犯罪動向調査レポート」の日本語版を、本日公開しました。

レポートの主な内容
・北朝鮮関連による暗号資産の窃取金額は、20億2000万ドル相当に達し、前年比51%増と過去最高
額を記録した。
・詐欺被害は、AIを活用したなりすましと東南アジアの大規模詐欺ネットワークにより急増し、 170億ドルの被害金額のうち140億ドルがオンチェーンで受け取られており、前年比41%増となった。
・ロシア、イラン、北朝鮮などの制裁対象国の金融戦略に、暗号資産やステーブルコインが組み込まれたことにより、制裁対象団体への送金は 前年比694%増となる1,040億ドルに達した。
レポートのダウンロードはこちらhttps://www.chainalysis.com/reports/the-2026-crypto-crime-report-japanese/

なお、チェイナリシスでは、本レポートの内容に加えて 日本で関心のあるトピックスを詳細に解説する無料ウェビナーを、2026年3月26日 木曜日 14:00~15:30 に開催します。
ウェビナーの参加申し込みはこちらhttps://www.chainalysis.com/webinars/jp-crypto-crime-webinar-2026/
昨年の暗号資産犯罪の全体傾向
専門化する暗号資産犯罪と高まる国家リスク
本レポートによれば、2025年に 不正な活動に利用される暗号資産アドレスが受け取った資金は、少なくとも1540億ドル(前年比162%増)に達し、その多くを占めたのは制裁対象団体への送金でした。
これらの不正な取引量は、合法的な活動に利用される 大部分の暗号資産送金額と比較すると依然として微小なものであり、2024年からわずかに増加したものの、暗号資産の全体取引量の1%未満にとどまっています。 また、不正な活動における送金総額の84%をステーブルコインが占めました。

チェイナリシスの調査によれば、暗号資産犯罪は高度に専門化しており、不正活動を行う組織が、詐欺、ハッキング、マネーロンダリングなどの国際犯罪ネットワークを支える、大規模なオンチェーン インフラを運用していることがわかっています。また、国家主体もこれらのオンチェーン ネットワークに参画し、経済制裁の回避や、兵器計画、代理戦争などの戦略的目標達成のための特別なインフラを構築中しています。
国家レベルが、サイバー犯罪者や組織犯罪グループが構築した違法な暗号資産サプライチェーンに参入することで、日本を含む世界中の政府やコンプライアンスチームにとって、国家安全保障や消費者保護に対するリスクが高まっているといえます。

個別の不正取引類型ごとの傾向
盗難資金:北朝鮮関連ハッキングが史上最高水準に
盗難資金の中で、北朝鮮は依然として最も危険な暗号資産サイバー攻撃者の一つであり、日本を含む各国の安全保障に明確な関連性があることを示しています。また、2025年の 全ハッキング攻撃者によるを暗号資産の窃取総額は34億ドルを超え、これらの被害は少数の大規模なハッキングに集中しています。

北朝鮮関連のハッカーは2025年に少なくとも20億2000万ドル相当の暗号資産を窃取し、これは前年比51%の増加となりました。北朝鮮関連ハッカーによる被害は、全体のハッキング被害総額の76%を占めるに至り、2016年からの累計被害額は67億5000万ドルに達しています。

北朝鮮関連ハッカーは、少ない攻撃数でも これまでにない成果を達成しており、中央集権型サービスや重要インフラに対する侵入が、より巧妙な手段によって より影響力の大きいものとなっていることを反映しています。 具体的な戦術としては、取引所や暗号資産関連企業内にIT労働者を潜入させることや、経営幹部を狙った高度な なりすましスキームによる 認証情報や特権アクセスの取得などが含まれており、北朝鮮がサイバー技術とソーシャルエンジニアリングを融合させていることを浮き彫りにしています。

詐欺被害:AI活用型詐欺と産業化されたネットワーク
詐欺の行為者は、AIを活用した なりすましと、東アジアと東南アジアとの強固な連携を持つ大規模詐欺ネットワークにより、記録的な犯罪収益を上げました。チェイナリシスの推計では、2025年の暗号資産詐欺や不正送金による被害額は約170億ドル、うち少なくとも140億ドルがオンチェーンで暗号資産として受け取られており、昨年の当初推計額の99億ドルから急増しました。

特に懸念されているのは なりすまし詐欺で、前年比1400%を超える被害総額の増加と、600%を超える平均被害額の増加を記録しました。詐欺の行為者は、政府機関、取引所、その他の信頼できる機関を装っていますが、本レポートによれば、AIを活用した詐欺は従来の詐欺に比べ1件あたりの被害額が4.5倍大きく、一日あたりの被害額とトランザクション件数が大幅に増加しました。これは、ディープフェイク、AI生成コンテンツ、なりすまし状態を提供するオンラインサービス(Phishing-as-a-Service)等が詐欺の産業化を促進し、詐欺行為への参入障壁を低下させていることを示しています。

こうした世界的な傾向と同様に、日本においても詐欺被害額は過去最高を記録しています。警察庁の統計によると、2025年に認知された詐欺被害総額は3241億円に達し、うち1414億円が従来の詐欺、1827億円がSNSを利用した詐欺によるもので、前年比62.8%の増加したとあります。チェイナリシス ジャパンが、AIを活用した詐欺防止ソリューションである Chainalysis Alteryaを使って推計したところ、2025年に日本の主要暗号資産取引所から送金された、詐欺被害に関連するとみられる暗号資産は約1219億円(約8億1200万米ドル)に上り、警察庁の統計における詐欺被害総額の約38%に相当しています。これは、日本の詐欺被害金の相当な割合が、国内取引所を経由して犯罪収益として隠匿、洗浄されていることを示しており、日本の規制当局、法執行機関、金融機関が暗号資産に特化した詐欺検知や被害抑止能力を備えることの重要性を強調しています。

一方 本レポートでは、世界各国の法執行機関における対応能力が向上している実態も報告しています。 例えば、英国における61,000ビットコインの差押えや、プリンス グループに関連する150億ドルを超える差押えなど、過去最大の押収実績が判明しました。これはブロックチェーンの透明性が、当局による大規模な詐欺や資金洗浄ネットワークの、追跡や解体を可能としていることを示しています。

経済制裁:国家による制裁回避は 産業的な規模感に
経済制裁に関しては、ロシア、イラン、北朝鮮など厳しい制裁を受けている対象国の金融戦略に、暗号資産の利用が組み込まれてきています。 その結果、比較的少数ながら高度な能力を持つ国家主体と、その支援ネットワークが、実質的に制裁を回避しています。

ロシアのルーブル担保型ステーブルコイン「A7A5」はその典型例です。A7A5を主要な米ドルペッグ型ステーブルコインへ No KYC(本人確認不要)で交換する「A7A5 Instant Swapper」サービスや、GrinexやMeerといった取引所を経由して、この1年足らずの間に 933億ドルを処理し、事実上、国債貿易のための決済インフラとして機能しています。

イランでは、2025年第4四半期にイラン系暗号資産関連サービスが受け取った資金の50%以上は、イスラム革命防衛隊(IRGC)の資金移動ネットワークに関連するアドレスに宛てたものであり、年間30億ドル以上が移動したことが判明しました。 また、漏洩文書によれば、イラン中央銀行はブローカーを通じて大規模にステーブルコインを購入し、ブリッジや分散型金融 (DeFi) プロトコルを介して資金を洗浄し、国内の関連組織やIRGC関連団体へ還流させていました。

規制当局と法執行機関も対策を急いでおり、個々のウォレットだけでなく、サービスとインフラ層(取引所、資金洗浄ハブ、防弾ホスティング、その他の支援者)を対象として取り締まりを強化しています。これらのノードを無力化することで、サイバー犯罪者と国家系アクターの双方に対し、資金洗浄コスト上昇とオペレーションの断片化を同時に引き起こすことができると認識しているからです。

「ブロックチェーンは、あらゆるトランザクションが分析可能な永続的記録を残します。この透明性と、AIにより進化したブロックチェーン インテリジェンスを組み合わせれば、日本及び世界中の法執行機関やコンプライアンスチームは、ふるまい検知、パターン認識を使った、資金追跡、犯罪ネットワークの無力化、大規模な制裁回避阻止を実現できます。本レポートは、国内の法執行機関、規制当局、民間セクターが、詐欺、北朝鮮関連のハッキング、その他国家安全保障や消費者保護に対する脅威への具体的な対策を積極的に取っていくことを支援するための羅針盤となります。」と、チェイナリシス ジャパンの プリンシパル ソリューション アーキテクトである重川隼人は述べています。
チェイナリシスについて
チェイナリシスは、ブロックチェーン データ プラットフォームです。70カ国以上の政府機関、暗号資産取引所、金融機関、サイバーセキュリティ企業に対して、データ、ソフトウェア、サービス、ブロックチェーンデータの分析調査を提供しています。チェイナリシスのデータは、犯罪捜査、コンプライアンス、リスク管理を支え、デジタル アセットの利用者が、安全かつ責任を持ってブロックチェーンを活用することを支援します。

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