~増えるフリーランス人口、今後のキャリア戦略は?~

フリーランスと協業し、企業のコンテンツ制作を支援する株式会社LiKG(本社:渋谷区)は、フリーランスとして活動する200名を対象に「フリーランス実態調査」を実施しました。本調査の結果、フリーランスの74.5%が会社員経験を経て独立していることが明らかに。また、2025年の年収については400万円以下が52%と過半数を占め、将来に対する不安としては57.5%が「収入の不安定さ」を挙げています。専門性を武器に独立する一方で、安定的な案件確保や継続的な収入構造の構築が大きな課題となっている実態が浮き彫りになりました。
■主な職種
職種について尋ねたところ、「エンジニア/IT関連」が49.5%、「編集・ライター・コンテンツ制作」が20.5%、「デザイナー/イラストレーター/映像などのクリエイター」が12%という結果となりました。特にコンテンツ制作領域に該当する編集・ライター・クリエイターを合算すると32.5%にのぼり、専門スキルを軸とした独立が一定数を占めていることがわかります。

図1:主な職種内訳(n=200)
■74.5%が会社員経験を経て独立、約半数は10年以上勤務後に独立

図2:フリーランスになる前の経歴(n=200)
フリーランスになる前の経歴については、「会社員」と回答した人が74.5%(149名)で最も多く、次いで「経営者」が11%、「学生」が5.5%という結果となりました。

図3:フリーランスから独立した方の会社員経験年数(n=200)
さらに、会社員経験者149名に対して「何年で独立したか」を尋ねたところ、「10年以上」が48.99%で最多となり、「4年~10年未満」が28.19%、「1年~4年未満」が20.13%という結果になりました。約半数が10年以上の企業経験を積んだうえで独立していることから、フリーランスは若年層中心の働き方というよりも、企業で培った専門性や業界理解を基盤にしたキャリア選択であることがうかがえます。
■年収は400万円以下が52%、収入格差も顕在化

図3:年収分布(n=200)
2025年の年収については、「400万円以下」が52%(104名)で最多となりました。続いて「401~600万円」が20.5%、「601~800万円」が16.5%、「801~1000万円」が6%、「1,001万円~2,000万円」が3%、「2,001万円以上」が2%という結果でした。
400万円以下が過半数を占める一方で、1,000万円以上の層も合計5%存在しており、フリーランスの収入構造には大きな幅があることがわかります。

図4:主な職種×年収(クロス集計)
職種別に年収をクロス集計したところ、全体(N=200)では「400万円以下」が52.0%と最多となりました。編集・ライター・コンテンツ制作では「400万円以下」が70.7%と突出して高く、高年収帯(800万円以上)はごく少数にとどまりました。一方、エンジニア/IT関連では「401~800万円以下」が48.5%を占め、中価格帯に厚みが見られました。
デザイナー/クリエイターでは「400万円以下」が50.0%である一方、800万円以上も12.6%存在し、同一職種内での二極化が見られます。
この結果は、生成AIによる“代替可能性”の差が、すでに収入構造に影響を及ぼし始めている可能性を示唆しています。定型的な制作業務ほど価格圧力を受けやすく、AIを活用・統合できる領域との格差は今後さらに拡大することが予想されています。
■スキル習得は「独学」が6割

図4:フリーランスになるにあたりスキルをどのように磨いたか(n=200)
フリーランスになるにあたり、どのようにスキルを磨いたかを尋ねたところ、「独学でのスキルアップ」が66.5%(133名)で最多となりました。次いで「本業でのスキルを活かした副業」が21%、「講座等を活用したスキルアップ」が7%、「その他」が5.5%という結果でした。
約3人に2人が独学を選択していることから、フリーランスの多くが体系的な教育プログラムよりも、実務や自己研鑽を通じてスキルを習得している実態がうかがえます。一方で、講座活用は7%にとどまっており、学習機会の選択肢や投資判断も個人に委ねられている構造が見えてきます。
■仕事獲得は「紹介」が58.5%で最多

図5:主な仕事の獲得方法(n=200/複数回答)
主な仕事の獲得方法については、「知人・過去取引先からの紹介」が58.5%で最多となりました。次いで「プラットフォーム(クラウドソーシング等)」が20%、「営業」が17.5%、「エージェント経由」が17%という結果でした(複数回答)。
半数以上が紹介経由で案件を獲得していることから、フリーランスにとって信頼関係や過去実績が重要な資産であることが明らかになりました。一方で、プラットフォームやエージェント経由も一定割合を占めており、複数チャネルを併用する傾向も見られます。
■確定申告の準備は「2月以降」「毎年ギリギリ」が約6割

図7:確定申告の準備開始時期(n=200)
確定申告の準備開始時期については、「2月に入ってから」が35%、「毎年ギリギリになってしまう」が23%という結果となりました。両者を合わせると58%にのぼり、約6割が比較的直前になってから対応していることがわかります。一方で、「年内(12月以前)」が19%、「1月」が15.5%と、計34.5%は早めに準備を開始している層も存在します。業務に追われる中で、経理・税務対応は後回しになりやすい実態が見える一方、計画的に対応している層との差も見られました。バックオフィス支援の重要性も示唆される結果となっています。
■将来不安の最多は「収入の不安定さ」

図8:将来最も不安に感じていること(n=200)
将来最も不安に感じていることについては、「収入の不安定さ」が57.5%で最多となりました。次いで「将来のキャリア・仕事の継続性」が18%、「税金・確定申告」が11%、「AIの台頭による仕事が無くなる不安」が8.5%という結果でした。
収入不安が突出していることから、単価や案件数の波に左右されやすい就業構造が、フリーランスの最大のリスクであることが改めて明らかになりました。また、AIによる仕事喪失への不安も一定数存在しており、技術進化に伴う市場変化への警戒感も広がりつつあります。
フリーランスが求める支援 ― 税制・社会保障・収入安定への強い不安
フリーランスとしての悩みや必要な支援について自由記述で尋ねたところ、税制・社会保障・収入の安定という3点に関する不安が特に多く、制度面での支援を求める声が目立ちました。
実際に多く寄せられた回答例は以下の通りです。
・インボイス制度の廃止を求めたい
・確定申告を自動で行ってくれる仕組みがほしい
・国民健康保険料が高すぎるため、負担軽減策が必要
・失業保険のような収入保障制度がほしい
・定期的に仕事が入る仕組みや案件紹介サービスを充実させてほしい
・病気やケガで働けないときの支援制度がほしい
・税務や契約トラブル時の法的サポートが必要
・フリーランス同士が情報交換できるコミュニティがほしい
■考察:AI時代におけるフリーランスの価値と、企業との協業のあり方
企業にとってフリーランスは「即戦力人材」として活用される一方、個人側は案件単位での契約が中心となるため、収入やキャリアの見通しが立てにくい構造があります。実務経験が豊富であっても、安定的な仕事機会の確保や適正な評価につながるとは限らない点は、フリーランス市場全体に共通する課題といえるでしょう。
また近年は、生成AIをはじめとするテクノロジーの進化が、職種を問わず働き方に影響を与えています。今回の調査では大きな割合には至らなかったものの、「AIの台頭による仕事減少への不安」は一定数確認されました。これは特定の職種に限らず、専門スキルの価値や業務プロセスの在り方が変化していくことへの漠然とした懸念の表れとも考えられます。
今後フリーランスに求められるのは、自身の専門性をどのように市場価値として発信できるかという視点です。テクノロジーを脅威として排除するのではなく、活用しながら付加価値を高める姿勢が、収入やキャリアの安定性を左右する重要な要素となっていくでしょう。
企業側においても、フリーランスを単なる外部リソースとして扱うのではなく、専門性を持つパートナーとして継続的に関係構築を行う姿勢が求められます。短期的な発注・受注の関係を超え、双方が中長期的な価値創出を目指す協業モデルの整備こそが、今後のフリーランス市場の健全な発展につながると考えられます。
株式会社LiKGは、フリーランスの持つポテンシャルを最大限引き出し、企業の事業成長に貢献する立場として、専門性が正当に評価され、持続的に活躍できる環境づくりを目指しています。AI時代において、人材の価値は単なる作業能力ではなく、経験・判断力・共感力・構想力といった“人にしか生み出せない付加価値”にあります。そうした価値が適切に循環する市場設計に取り組んでまいります。