世界でも4個体のみの確認!
アクアマリンふくしまで採集した新種の深海魚が「ユウレイコンニャクウオ」として、公表されましたのでお知らせいたします。(生存個体はなく、展示は行っていません)


<公表日>
2019年10月4日(金)
<採集場所>
北海道羅臼沖水深500-1080m 刺し網漁・エビ籠漁
<名前>
標準和名:ユウレイコンニャクウオ
学名:Careproctus longidigidus Kai & Matsuzaki, 2019
※学名の由来はラテン語で“longus” (長い) and “digitus” (指)
<生態>
体表は赤く、糸状に伸びた胸びれを持つことが特徴です。生存中はこの糸のように見える胸びれを下に向けて、ゆらゆら幽霊のように泳いでいます。
<詳細>
2017年~2019年にかけて北海道知床羅臼沖で採集された4個体のコンニャクウオ属魚類が、京都大学の甲斐嘉晃博士とアクアマリンふくしまの共同研究によって、日本魚類学会の英文誌に新種として公表されました(Kai & Matsuzaki,2019: Ichthyological Research https://doi.org/10.1007/s10228-019-00711-y)。
生存中はエサの匂いがすると糸状に伸びた胸びれを使って、ゆったりとした泳ぎでエサを探します。その姿が手を伸ばした「幽霊」のようなイメージであったため、標準和名が「ユウレイコンニャクウオ」になりました。甲斐博士によるとコンニャクウオの仲間は約150種類いますが、このように、ほそ長い指のような胸びれを持つ種はほとんどいません。
まだ世界で4個体しか確認されていないとても珍しい種ですが、採集後2週間は生存した個体もいたことから、今後、生体の展示を目指しています。