亀山郁夫・初小説『新カラマーゾフの兄弟』が河出書房新社より刊行
遺産と女、兄弟の葛藤、そして謎の教団……135年の時を経て、あの名作の謎が解かれる。続編でもパロディでもない「完結編」の行方は? 驚愕のノンストップ・ミステリー巨篇!
ミリオンセラーの翻訳者が「世界文学最高作」と言われる傑作を
19世紀ロシアから現代日本に舞台を移し完結させた、桁はずれの著者初小説。
ドストエフスキーとの驚愕のコラボレーションから生まれた、
ノンストップ・ミステリー巨篇。
●『カラマーゾフの兄弟』は未完だった
「世界文学最高作」とも言われる、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』は、じつは未完の小説だった。ドストエフスキーが予告しながら書けなかった、いわゆる「第2の小説」を、発表された「第1の小説」と合体し、現代日本を舞台に完結編を書き上げたのが本書だ。
●舞台は、1995年の日本
1995年の日本。これは、神戸の震災、地下鉄サリン事件の起きた年である。物語は、13年前に謎の死をとげた父の遺した黒木家の遺産分割についての話し合いから始まる。
●続編でもパロディでもない「完結編」
本書では、亀山郁夫がドストエフスキーの遺志を継ぎ、続編でもパロディでもない、正当なる「完結編」を試みている。小説には、ドストエフスキー自身と、速記者でもあった妻アンナと思しき人物も登場し、対話を繰り広げる。また、「カラマーゾフの兄弟」の根本的な理解につながる最高の謎解き本ともなっている。
突然の死により完結を果たせなかった師ドストエフスキーの無念を晴らすべく、日本の翻訳者亀山郁夫が、初小説に挑み、「カラマーゾフの兄弟」とほぼ同じ長さの完結編を完成させた。世界中が夢見た名作の「真の解決」を、いま我々は初めて目にすることができる。
【絶賛の声】
見事に造形された人物群像、濃密で精気あふるる描写、巧みなストーリーテリング。亀山郁夫にはドストエフスキーが憑依している。とてつもない大仕事。──辻原登
ドストエフスキーの読解がそのまま人生である著者だからこそ書けた、壮大なメタ批評にしてメタ私小説。これは文学的事件だ。──東浩紀
常人の業ではない。亀山郁夫によるドストエフスキー殺しだ。あまりに優雅で、見事で、面白く、恐ろしい。──沼野充義
人間が生きていることの意味を根源から問い、長編小説の面白さを満喫させてくれる傑作。すべての読書人に勧める。──佐藤優
【亀山郁夫『新カラマーゾフの兄弟』刊行記念イベント開催】
亀山郁夫×中村文則 ドストエフスキー超入門対談
父なき国の「父殺しミステリー」の謎を解く!
日程:2015年12月1日 (火)
時間:19:00~20:30 開場18:30~
料金:1,080円(税込)
会場:青山ブックセンター本店 Tel.03-5485-5511(10:00~22:00)
【書籍情報】
書名:新カラマーゾフの兄弟【上下】
著者:亀山郁夫
発売日:2015年11月20日
体裁:46判・上672頁・下776頁
本体価格:上巻1900円/下巻2100円(税別)
ISBN :上巻978-4-309-02422-6 下巻978-4-309-02423-3
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309024226/
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309024233/
●亀山 郁夫(かめやま・いくお)
1949年栃木県生れ。ロシア文学者。名古屋外国語大学学長。『磔のロシア』で大佛次郎賞、『謎とき『悪霊』』で読売文学賞。ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』の新訳はミリオンセラーとなり、本国ロシアからプーシキン賞を贈られた。『磔のロシア』『謎とき『悪霊』』他著書多数。