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MiZ株式会社

『スマート・メディスン』の視点からみた脳疾患治療:パーキンソン病に対する水素療法の可能性と低濃度療法の意義

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 MiZ株式会社(本社:神奈川県鎌倉市)と慶應義塾大学等の研究グループは、最小の分子である「水素分子(H2)」を用いた脳神経疾患治療の新たな概念『スマート・メディスン』に関する研究成果を米国に編集本部を置く査読付き学術誌『Medical Gas Resarch』発表しました(2024年9月)。この論文では、血液脳関門などにより治療が困難とされてきた脳疾患に対し、水素がいかにその障壁を克服し得るかを理論的・実証的に示すとともに、パーキンソン病患者において症状の顕著な改善が認められた症例を報告しています。MiZ株式会社は、これらの症例に基づいて水素吸入によるパーキンソン病の予防と改善の発明について特許権を取得しました。
 2026年1月、MiZ株式会社は査読付き国際医学誌『The International Journal of Risk and Safety in Medicine』に、日本で多発する高濃度水素吸入器(水素濃度67%や100%)による「人体内水素爆発」事故を検証した論文を掲載しました。消費者庁および学術報告の爆発事例を解析した結果、高濃度水素を吸入する方式である限り、装置内部だけでなく人体内での爆発リスクを根本的に回避することは難しく、実際に、高濃度水素吸入器の単独使用によって、顔面内水素爆発による「顔面複雑骨折」、肺内水素爆発による「気管支裂傷に伴う大量吐血」や「肺組織の破裂と焼損」といった事故が発生していることを報告しています。その上で論文は、爆発の危険性がない水素濃度10体積%以下の低濃度水素吸入療法へ転換することこそが、水素爆発事故を回避する現実的解決策であり、『スマート・メディスン』の実現に不可欠であることを示しました。
 なお、本プレスリリース中の水素濃度の単位「%」はすべて「体積%」を意味しています。

背景:脳神経疾患の創薬における「4つの高いハードル」
 現代医学において、パーキンソン病やアルツハイマー病などの中枢神経系疾患の治療は困難であるとされています。その主なハードルは以下の4点に集約されます(図1)。

 1.脳血管内壁の血液脳関門の存在: 脳を守る強固なバリアにより、薬剤が脳内に届きにくい。
 2.ミトコンドリアへの送達: 疾患の根源である細胞内ミトコンドリア内膜を薬剤が通過できない。
 3.代謝産物の排出: 投与した薬剤の代謝物が脳内に蓄積し、副作用を引き起こす懸念がある。
 4.薬効の限界: L-ドパなどの既存薬は、進行抑制や一時的な症状改善にとどまり、耐性の問題を抱えている。


図1 水素による脳神経疾患改善のメカニズム                                     水素は脳血管内皮の血液脳関門を透過して脳内に至り、病巣で発生しているヒドロキシルラジカルを水分子に変換する。脳神経疾患の医薬品の創薬には4つの越えがたいハードルが伴うが、水素はそのハードルをクリアできる。

水素が『スマート・メディスン』の主役
 本論文では、水素分子がこれらのハードルを越えることができる『スマート・メディスン』であることを提唱しています(図1)。

 1.膜透過性:水素は最小の分子であり、血液脳関門を透過し、パーキンソン病の病巣である脳の深部(中脳黒質など)まで到達できる。
 2.細胞内小器官まで届く透過性:水素は細胞膜透過性により脳の隅々に行き渡り、脳の病巣の細胞内小器官であるミトコンドリア内部に入ることができる。水素は、ミトコンドリア内部で発生するヒドロキシルラジカルと反応し水分子に変換する。
 3.悪循環の遮断:パーキンソン病の病因となる「フェントン反応」由来のヒドロキシルラジカルを水分子に変換し、ドパミンの無限連鎖的な酸化反応を停止させる(図2)。
 4.医薬品では達成できない安全性:水素は細胞を構成する生体分子と直接反応しないため、有害事象を示さない。ヒドロキシルラジカルとの反応の副産物は「水(H2O)」のみであり、脳内に有害な代謝産物を残さない。余剰の水素は拡散により自然に体外へ排出される。


図2 パーキンソン病患者の中脳黒質におけるフェントン反応に始まるドパミンの無限連鎖酸化反応             パーキンソン病患者の中脳黒質には鉄イオンが沈着しやすい。還元性の鉄イオンにより、過酸化水素がヒドロキシルラジカルを生じ(フェントン反応)、神経伝達物質であるドパミンを水酸化する。水酸化により生じた6-ヒドロキシドパミンは毒性を有する。6-ヒドロキシドパミンは酸素分子によりパラキノンとなり、酸素分子はスーパーオキシドに変換される。スーパーオキシドは酵素反応により過酸化水素になり、再びフェントン反応に供される(ドパミンの無限連鎖酸化反応)。水素はフェントン反応により生じたヒドロキシルラジカルを水分子に変換するので、ドパミンの6-ヒドロキシルドパミンへの反応の進行を抑制する。

低濃度水素吸入による改善症例と特許
 MiZ株式会社は、低濃度水素吸入機(10%未満の安全濃度に制御)を使用したモニター調査に基づいて、水素吸入によるパーキンソン病の予防と改善の発明を特許として権利化しています。

[症例1] 67歳男性・病歴8年: 約2ヶ月の吸入で、顔色、声、歩行が顕著に改善。初回の吸入中に手足や顎の震えが止まるという効果も確認。
[症例2] 72歳男性・病歴6年: 「く」の字に曲がっていた腰が伸び、ボタンかけや着替えといった日常生活動作が顕著に向上。
[症例3および4] 動作緩慢、小刻歩行、便秘、睡眠障害などの諸症状において、視覚的アナログスケール(VAS)による改善が認められた。

高濃度水素吸入による人体内水素爆発のリスク:「健康のための水素吸入で大怪我」の本末転倒
 2026年1月、MiZ株式会社と慶應義塾大学が国際医学誌 International Journal of Risk & Safety in Medicine に公表した研究は、市場で販売されている水素濃度が67%や100%の高濃度水素吸入器が機器本体の爆発のみならず、人体内においても爆発条件を成立させ得ることを報告しました。
 水素は、脳神経疾患を含む炎症性疾患や酸化ストレス関連疾患に対する有効性が数多く報告され、医療・ヘルスケア分野で急速に普及しつつあります。しかし同時に、水素が「爆発性ガス」であるという物理化学的事実を見落としてはなりません。
 水素は空気中で10~75%という極めて広い濃度域で爆発可能であり、衣服の静電気程度の微小エネルギーで着火します。燃焼速度はメタンの約7倍に達し、閉鎖空間では瞬時に爆風圧が上昇し、超音速の衝撃波を伴う爆轟(ばくごう)へ移行し得ます。この特異な爆発特性をもつ気体を、高濃度で、人体内部の閉鎖空間へ導入する行為は、本質的に危険なものであると考えるべきです。
 事実、高濃度水素吸入器の単独使用によって、鼻腔内や肺内での人体内水素爆発が生じ、顔面複雑骨折、肺焼損、気管支裂傷などの傷害が発生した事故事例が多数報告されています。爆発リスクへの対策を、加湿・換気・静電気防止といったユーザー側の配慮に委ね、装置自体として安全性を担保できない高濃度水素吸入器は、一般家庭での使用はもちろん、患者の生命と健康を守ることを目的とする病院やクリニックなどの医療現場においても、社会実装には適さないと考えられます。

人体内水素爆発事故の背景にある安全軽視
 MiZ株式会社と慶應義塾大学等の研究グループは、高濃度水素吸入において想定される事故メカニズムとして、以下の要因が存在することを明らかにしました。

 1.呼吸器内で水素濃度が爆発域に達し得ること
 2.静電気などの微小着火源で人体内爆発が誘発され得ること
 3.高濃度=効果的と妄信し製品としての安全性を軽視する姿勢

 そして注意すべきは、「高濃度であるほど効果が高まる」という科学的根拠は存在しないという事実です。これまで蓄積されてきた基礎研究・臨床研究の報告は、7%や4%程度の10%以下の非爆発域にある水素ガスであっても、十分な効果が得られることを示しています。水素爆発のリスクを負ってまで67%や100%濃度の高濃度水素吸入器を用いる理由はありません。水素濃度は「効果の指標」ではなく「爆発危険性の指標」として扱うべきものです。

安全性を最優先とする設計思想と『スマート・メディスン』
 健康・医療領域における技術を社会に広く普及させるためには、不要なリスクを可能な限り排除するという視点が重要です。論文では、このような考え方を「スマート・メディスン」と呼んでいます。やみくもに「最大濃度」や「最大水素量」を求めるのではなく、安全性を確保しながら効果が期待できる「最適濃度」を追求するという視点です。
 慢性・進行性疾患では、水素吸入が長期的かつ反復的に用いられる可能性があるため、継続使用を前提とした安全設計は特に重要となります。
 MiZ株式会社は、水素の爆発特性を踏まえ、水の電気分解で生成した水素を生成直後に空気で10体積%以下へ即時希釈する技術を開発し、これを特許として権利化しました。爆発濃度に至る前段階で制御し、万一異常が生じれば安全装置が作動して停止する設計により、吸入器本体の爆発も人体内水素爆発も原理的に回避します。これらの技術についてMiZ株式会社は日本(特許第5091364号、特許第5100911号)をはじめ世界9か国で特許を取得しています(2026年3月現在)。

論文および知財情報
(1) パーキンソン病に関する2024年公開論文
ジャーナル:Medical Gas Research. 2024 Sep 1;14(3):89-95.
邦文タイトル:『スマート・メディスン』による脳治療の実現―分子状水素吸入によるパーキンソン 
病改善の機構と症例報告―
著者:市川祐介 博士(理学)1、佐藤文平1、武藤佳恭 博士(工学)2,3、佐藤文武1
所属:1.MiZ株式会社 研究開発部、2.慶應義塾大学、3.武蔵野大学
英文タイトル:Realizing brain therapy with "smart medicine": mechanism and case report of molecular hydrogen inhalation for Parkinson's disease
 URL:https://journals.lww.com/mgar/fulltext/2024/14030/realizing_brain_therapy_with__smart_medicine__.1.aspx

(2) MiZ株式会社が取得した神経系疾患・脳神経疾患関連の特許
 ・パーキンソン病改善(権利化)
 ・心的外傷後ストレス障害(PTSD)改善(権利化)
 ・うつ病改善(権利化)
 ・認知症およびアルツハイマー病(権利化)
 ・統合失調症(権利化)
 ・脊椎損傷の症状改善(権利化)
 ・脳卒中(権利化)
 ・突発性難聴(権利化)

(3) 高濃度水素吸入による人体内水素爆発に関する2026年公開論文
ジャーナル: The International Journal of Risk and Safety in Medicine. 2026 DOI: 10.1177/09246479251414573
英文タイトル:Preventable In-Body Hydrogen Explosions from High-Concentration H2 Inhalers in Japan -Switch to Safe, Low-Concentration Hydrogen Therapy-
邦文タイトル:日本における高濃度水素吸入器による人体内水素爆発とその防止策-低濃度水素療法への転換の必要性-
論文オリジナル URL: https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/09246479251414573

(4) 安全な水素吸入器の開発に関する論文
ジャーナル:Medical Gas Research. (2015) 5:13
英文タイトル:Convenient methods for ingestion of molecular hydrogen: drinking, injection, and inhalation
邦文タイトル:分子状水素を体内に取り込むための簡便な方法:飲用、注射および吸入
URL: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4620630/

(5) 水素吸入についてのガイドブック配布(一般向け)
https://e-miz.co.jp/pressrelease/pressrelease15.html

論文と特許に関しての問い合わせ先
MiZ株式会社
神奈川県鎌倉市大船2-19-15
infoAe-miz.co.jp (Aをアットマークに置き換えてください)

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