2016年3月9日(水)、横浜美術館で展覧会開催記念のトークイベントが開かれます。
印象派を代表する女性画家、メアリー・カサットの大回顧展が今夏、横浜美術館で開催されます。国内では実に35年ぶり。
その開催を記念して、ひとあし先にトークイベントが開かれます。
登場するのは著書の中でもカサットを取り上げたこともある、作家.江國香織さん。
作品の魅力だけでなく、自らの手で画家の道を切り開いたその生き方にも焦点を当て、カサットの生涯についてお話しをうかがいます。また、当日はイベントの冒頭部分で本展の概要や出展作品をご紹介する記者発表会も合わせて実施する予定です。

愛情あふれる絵を描き続けた女流画家
メアリー・カサット(1844-1926)は、米国ペンシルヴェニア州ピッツバーグ郊外の裕福な家庭に生まれました。画家を志し、21歳のときに父親の反対を押し切ってパリに渡りました。古典絵画の研究から出発し、やがて新しい絵画表現を模索するなかでエドガー・ドガと運命的な出会いをとげ、印象派展への参加を決意します。カサットは、印象派から学んだ軽やかな筆遣いと明るい色彩で家庭の情景を描き、独自の画風を確立していきました。特に母子を温かい眼差しで捉えた作品は人々の共感を呼び、カサットの名を不朽のものとしています。また印象派の友人たちの作品を、故郷のアメリカに熱心に売り込んだ晩年には、その業績に対しフランス政府からレジオン・ドヌール勲章が授与されました。女性の職業画家がまだ少なかった時代に、さまざまな困難を乗り越えて意志を貫いたカサットの、力強くエレガントな生き様は、現代の私たちにも勇気を与えてくれるでしょう。
[表1: http://prtimes.jp/data/corp/14302/table/72_1.jpg ]

日本では実に35年ぶりの大回顧展
6月25日から始まる「メアリー・カサット展」では、油彩画やパステル画、版画の代表作に加え、エドガー・ドガ、ベルト・モリゾなど交流のあった画家たちの作品、画家が愛した日本の浮世絵版画や屏風絵なども併せて約100点を展観し、初期から晩年にいたるまでのカサットの画業の全貌を紹介します。日本では35年ぶりの待望の回顧展となる本展は、愛にあふれるカサット芸術の真髄に触れる貴重な機会です。