千葉・柏市立名戸ヶ谷小学校で「里帰りフィードバック講演会」を実施──“祈る平和”から“行動する平和”へ
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト(所在地:千葉県)は、2026年2月10日、柏市立名戸ヶ谷小学校にて、世界とつながる学び(CoRe Loop)のフィードバック講演会「3Re-Forum(Return, Reflect & Redesign)」を実施しました。
同校5年生が地域の方々と1年間かけて栽培した「名戸ヶ谷米」は、年明けに実施したカンボジア難民キャンプ支援(炊き出し等)で活用され、児童たちが作成した折り紙は難民キャンプの子ども達の心を癒すワークショップとして活用されました。本講演会では支援現場の様子を映像とともに共有。子どもたちの学びが、海の向こうの暮らしを具体的に支えたことを報告しました。
名戸ヶ谷小学校は令和8年度に創立50周年を迎えます。節目を前に、児童・教職員・PTAが「地域で育てた学びが世界へ届き、現地の反応が教室へ返る」という往還型の学びの意義を確かめ、次の学びへ再設計していく契機となりました。

自ら育てたお米が世界の人々の役に立ったことを知る名戸ヶ谷小学校児童たち
背景:世界とつながる学び(CoRe Loop)とは
なかよし学園の「世界とつながる学び(CoRe Loop)」は、学校での探究学習・平和学習・地域学習を、海外の学びの現場(紛争や貧困の影響を受ける地域を含む)と接続し、**「つくる → 届ける → 返ってくる → 学び直す」**という循環で学びを深める実践モデルです。子どもたちが自ら考え、手を動かして生み出した成果物(教材・メッセージ・地域資源等)が現地で活用され、その反応や現場の声が“里帰り”として教室に戻ることで、学びを一過性で終わらせず、次の行動へと再設計していきます。
講演資料でも掲げている通り、私たちは「願う平和から 行動する平和へ!」を合言葉に、教室の中だけで完結しない平和学習の設計と実装に取り組んでいます。
また本モデルは、ユネスコ(UNESCO)とEuropean Agency for Special Needs and Inclusive Educationが連携する国際知見基盤「Inclusive Education in Action」において、ケーススタディとして掲載されるなど、包摂的な学びの国際的実践として評価されています。さらに、なかよし学園は国内においても事業採択等を受けながら、学校現場と共創し、全国へ展開を進めています。
実施概要
日程:2026年2月10日
会場:柏市立名戸ヶ谷小学校(千葉県)
対象:主に5年生、教職員、保護者(PTA)等
実施形態:3Re Forum(Return, Reflect & Redesign)/フィードバック講演+対話(ディスカッション)
主催:なかよし学園プロジェクト
名戸ヶ谷小の実践:地域と育てた“名戸ヶ谷米”が、難民キャンプの炊き出しへ
柏市立名戸ヶ谷小学校の5年生は、地域の方々と協働しながら1年間かけて「名戸ヶ谷米」を栽培してきました。子どもたちの学びは、田んぼの作業や収穫の喜びにとどまらず、「このお米を“誰かの力”にできないか」という問いへと広がり、年明けに実施されたカンボジア難民キャンプ支援(炊き出し等)で実際に活用されました。
講演会では、現地の炊き出しの様子や、厳しい避難生活の中で食事を受け取る人々の姿が映像・報告として共有されました。子どもたちは、単に「寄付をした」「送った」という出来事としてではなく、自分たちが育てたお米が、海の向こうの“今日”を支えたという事実を、具体的な手触りをもって受け止め直しました。
同時に、世界の暮らしの前提――食・安全・住まいが十分に整わない現実――が、日本の“当たり前”とは大きく異なることにも向き合い、教室の中には「自分たちにできることは何か」「次はどう届けるか」を自分の言葉で語り合う対話の時間が生まれました。

児童たちが栽培した名戸ヶ谷米
カンボジアの難民キャンプで炊き出しに活用された

難民の子ども達に提供された名戸ヶ谷米のおにぎり




名戸ヶ谷小の折り紙が生んだ「心を癒す」ワークショップ
名戸ヶ谷小学校の児童が作成した折り紙は、難民キャンプで暮らす子どもたちの心のケアを目的としたワークショップでも活用されました。折り紙は、道具や遊びが限られる避難生活の中で、子どもたちが「自分の手で形を生み出す」体験を通して気持ちを落ち着け、笑顔を取り戻すきっかけになります。現地では、完成した作品を見せ合ったり、折り方を教え合ったりする姿が生まれ、短い時間ではあっても不安や緊張が和らぐ“安心の場”がつくられました。

名戸ヶ谷小児童が作成しいた折り紙が難民キャンプに届く

子ども達に配布された折り紙
子ども達に配布された折り紙
大人達にも配布された
3Re-Forum(Return, Reflect & Redesign)とは?
本講演会は、世界とつながる学び(CoRe Loop)の循環を学校現場で可視化する場として、Phase4「3Re Forum(Return, Reflect & Redesign)」と位置づけています。
Return(往還):現地で起きたこと、現地の声、成果物の到達を“教室へ持ち帰る”
Reflect(振り返り):自分たちの行動が誰かに届いた事実を受け止め、学びの意味を言語化する
Redesign(再設計):次は何を、誰と、どう届けるか。学びと行動をアップデートする
平和学習は、祈ることから始まって構いません。けれど、祈りで終わってしまう限り、現実は変わりません。3Re-Forumは、子どもたちが「自分の行動が誰かの笑顔につながった」という手応えを受け取り、“次の一歩”を自分で設計していくための学習デザインです。

なかよし学園のCoRe Loopモデル。作成した教材が教育支援活動として世界で実装されるプログラムを提供
「手触り」が子どもを変える:教室の外の現実に触れた瞬間
名戸ヶ谷小の子どもたちは、つくり、育て、届け、返ってきた反応を受け取るという往還のプロセスを通して、平和や支援を“概念”ではなく“現実”として理解し始めています。
講演では、子どもたちへの問いとして「あなたがこれからの人生で喜ばせたい、笑顔にしたい人はどんな人ですか?」が提示されました。これは、子どもたちの中にある優しさや正義感を、「実装可能な行動」へつなげるためのスイッチです。学びが“知識”で終わらず、“誰かの暮らしに届く”ところまで踏み出したとき、子どもたちの表情は変わります。その変化こそが、このモデルの価値です。

自分たちのお米が活躍する様子を知る児童たち
学びの「その先」を提供する3Re-Forum

講演では様々な問いかけを通して世界の課題を「自分事」として学ぶ
関係者の声
校長:津久井智洋(柏市立名戸ヶ谷小学校)
なかよし学園の掲げる「祈る平和から行動する平和へ」の中でも、「行動する」という部分はとても分かりやすく、来年度の学校テーマである「Do for others」にもつながると感じています。自分たちが作ったものが誰かのためになることを実感できたことは、5年生にとって大きな学びになりました。日頃の学校生活の中でも、一人ひとりが誰かのために行動し、その積み重ねがこのような形で世界へつながっていくことを体感できたのは、本当に良かったと思います。今後は、来年度の創立50周年記念の活動にもつなげていきたいと考えています。

BIG SMILE(最高の笑顔で世界を平和に)で募金に協力してくれた名戸ヶ谷小学校津久井校長
教諭:中島里香(柏市立名戸ヶ谷小学校)
最初の講演会で聞いていた世界の課題に、5年生が実際に関われたことが良かったです。自分たちが育てたお米が現地に届いたり、折り紙が届けられたりする中で、「自分たちにもできることがある」と感じられました。さらに、低学年でもできることがあると分かったので、次は低学年にも広げていけるのではないかと思えました。
PTAの声
「子どもたちがこんなにも世界の役に立っていることを知り驚きました。名戸ヶ谷小が創立50周年という節目を迎える中で、“地域の学びを世界へつなぐ”この取り組みは、これからの名戸ヶ谷小にとって重要な意味を持つと感じました。」

PTAの方々や地域の方の「学びを応援する」取り組みが名戸ヶ谷小児童に質の高い学び環境を提供している

これから名戸ヶ谷小の児童たちが世界のリーダーとして活躍していく。そんなキャリア教育をなかよし学園は行っている
代表メッセージ(なかよし学園プロジェクト 代表理事:中村雄一)
平和学習は、祈ることから始まっていい。けれど、そこで終わってしまったら、世界は変わりません。名戸ヶ谷小の子どもたちは、地域の方々と汗をかきながらお米を育て、そのお米が海の向こうの食卓を支える場面に、確かに触れました。私はこの瞬間にこそ、教育の核心があると感じています。
それは、誰かの不幸を「かわいそう」で終わらせることではなく、“自分の手で、相手の明日に触れる”という実感です。教室の中で積み上げてきた時間が、遠い国の誰かの今日に届き、そしてその反応が戻ってくる。だからこそ子どもたちは、平和を“自分ごと”として捉え直せるのです。
今回私たちは、この往還と振り返り、そして次の設計を一つの場に束ね、Phase4を「3Re Forum(Return, Reflect & Redesign)」と名付けました。
大人が用意した正解ではなく、子ども自身が問い、選び、実装し、学び直す。この小さな実装の積み重ねが、地域から世界へ向けて“具体でやさしい影響力”を持つ人材を育てていくと、私は確信しています。
名戸ヶ谷小が迎える創立50周年は、過去を祝うだけの節目ではありません。次の50年へ向けて、子どもたちが「Do for others」を世界規模で体現していく出発点です。なかよし学園は、これからも学校・地域・世界をつなぐ循環を強め、祈りを行動に変える教育を、皆さまと共に創り続けます。

カンボジアの戦争地域で活動を続けるなかよし学園
UNESCO×欧州機関の国際知見基盤「Inclusive Education in Action」掲載について
なかよし学園の「世界とつながる学び(CoRe Loop)」は、ユネスコ(UNESCO)とEuropean Agency for Special Needs and Inclusive Educationが連携する国際知見基盤「Inclusive Education in Action」に、ケーススタディとして掲載されています。
この掲載は、子ども・教員・地域・海外現地が対等につながり、学びの成果が循環(Return Loop)する設計が、包摂的な学びの国際的実践として位置づけられたことを意味します。

UNESCO IEAに掲載されたなかよし学園の取り組み
参考リンク
UNESCO×欧州機関「Inclusive Education in Action」ケーススタディ:https://www.inclusive-education-in-action.org/case-study/being-supported-becoming-supporters-return-loop-inclusive-learning-model-linking
なかよし学園プロジェクト(PR TIMES掲載一覧):https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/166170
関連リリース(UNESCO IEA掲載等):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000076.000166170.html
団体概要
団体名:特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト
事業内容:世界とつながる学び(CoRe Loop)を軸とした探究・平和・包摂教育プログラムの企画運営/国内外の教育・食・心のケア支援 等
本件に関するお問い合わせ先
特定非営利活動法人 なかよし学園プロジェクト(事務局)
E-mail:peace.office@nakayoshigakuen.org