千葉大学法政経学部の関谷昇教授は、今年度開講した授業「若者の政治参加を考える」の参加学生とともに、7月10日に行われた参議院選挙をうけて、千葉大学の学生に緊急アンケートを実施しました。
調査の目的
2016年7月10日に実施された参議院議員選挙(期日前投票を含む)における学生の投票行動に関する調査を実施し、全国的に18歳選挙権が初めて導入された本選挙において、学生たちの投票行動に見られる傾向を明らかにすることによって、若者の投票環境のあり方を社会的に考えていく一つのきっかけにすることを目的としています。
調査方法
調査日 :2016年7月11日
調査対象:7月11日の午前中に行われた一般教養科目の講義(12科目)の受講生 約1000名
調査方法:スマートフォンでQRコードからWebアンケートにアクセスしてその場で回答
回答者数:609名(内訳:7/10時点で10代533名(18歳305名・19歳228名)、20代76名)
調査の結果 (10代・533名回答)








調査の考察(千葉大学法政経学部教授 関谷 昇(政治学))
10代の投票率が67%というのは思った以上に高かったと思います。一般的に若者の政治的無関心が言われがちですが、アンケートの結果をみると政治的な関心が必ずしも低いわけではないということがいえます。また、住民票の有無が投票する・しないに大きく関わっていることが改めて確認されました。投票をした学生は、権利というより義務だと感じ、将来社会や政治への関心があることがわかりました。一方、投票をしなかった学生は政治的関心が低いというよりは、投票の方法や場所がわからないことや、他に予定がある、面倒くさいといった思いがあることがわかりました。今後は、政治的な関心や将来の問題をどのように議論していけるかの場作りが求められるとともに、住民票の移動の有無を含めた投票条件のあり方、さらには投票のしやすさなどの投票環境を改善していくことが求められていると思われます。
「若者の政治参加を考える」受講学生のコメント(法政経学部2年 橋元晴也 19歳)
学生の政治への関心が低いというわけではないことがわかり、10代の投票率はもっと伸びるのではないかと思いました。ただ、投票の理由が「若者の選挙が注目されているから(33%)」「人から勧められたから(9%)」という学生もいたので、周りに流されている人もいるかもしれないと思いました。今後は、学生が主体的に政治や選挙について考えていく機会が増えればいいなと思います。
本件に関するお問い合わせ
千葉大学法政経学部 教授 関谷昇
noboru@faculty.chiba-u.jp