
今年で創設40周年を迎え、会員企業は800社以上いる一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ)の会員である株式会社オプテージ(本社:大阪市中央区)は本日、国際通信事業への本格参入を発表しました。2028年度より日本-シンガポール間の国際海底ケーブルを利用したグローバルDCI(データセンター間相互接続)サービスを開始し、AIやクラウドサービスの普及に伴う国際間データ通信量の増加に対応します。
この戦略的展開は、同社データセンタービジネス推進部・部長である中井義久氏が掲げる「1億年続く水と緑の地球」という壮大なビジョンの実現に向けた重要な一歩です。東日本大震災での「3日間の奇跡」から、海外事業者との体当たり英語交渉、そして今回の国際通信事業参入まで──一見バラバラに見える経験が、すべて一つの未来像へと収束していきます。
グローバルDCIサービス:2028年度、日本-シンガポール間を接続
株式会社オプテージは、この度、OC1のコネクティビティ(接続性)を強化し、AIやクラウドサービスの普及に伴う国際間のデータ通信量増加に対応するため、日本-シンガポール間の国際海底ケーブルを利用したグローバルDCIサービスを2028年度より開始することを決定しました。
これに先立ち、OC1-首都圏主要データセンターをオール光ネットワークで結ぶ国内DCIサービス(サービス名称:All-Optical Connect(AOC))をOC1開業の2026年1月より提供し、OC1からシンガポールまでの通信回線を、当社を窓口としてワンストップで提供いたします。なお本DCIサービスは、100Gbps/400Gbpsの超高速専用線メニューをラインアップいたします。
近年、AIやクラウドサービスの急速な発展により、国際間のデータ通信量が増加する中で、企業の利便性やレジリエンス強化に向け、安定した国際通信ネットワークの需要が高まっています。こうした背景から当社では、2026年1月のOC1運用開始を前に、国内外のお客さまから国際通信ネットワークのニーズを多くいただいており、日本-シンガポール間のグローバルDCIサービスの提供を決定いたしました。
フィーリングで選んだ光ファイバーの世界から国際事業へ
この国際通信事業参入という大きな節目は、中井義久氏の歩んできた道のりと深く結びついています。
京都出身の中井氏が、当時まだ社員300名規模だったケイオプティコム(現オプテージ)に入社したのは、明確なキャリアプランがあったわけではありませんでした。
「大学で資料を見ていた時、光ファイバーを扱う事業者に興味を持ちました。会社の規模もコンパクトで、知り合いもいない。新しいコミュニティに入りたいというフィーリングですね」
当時、家に光ファイバーが入ってくるなど到底考えられない時代。それでも「なんとなくふわっと将来性を感じた」という直感が、今日の国際事業参入へとつながる第一歩だったのです。
東日本大震災──3日後のデータセンター移転という原点
中井氏のキャリアで最も印象に残っているエピソードが、2011年の東日本大震災です。
震災の数日前、宇都宮のお客様とアポイントを取っていたが、地震で行けなくなりました。その後、別のルートから「和歌山にサーバーを移転したい」という相談が舞い込みました。停電リスクから逃れるため、3日後に移転したいという緊急要請でした。
「普通なら回線の準備だけでも、そんなすぐにはできません。でも、以前から関係を作っていたお客様だったので、無停電環境が整っているデータセンターへの移転を提案しました」
社内の調整部署、工事側のメンバー、様々な部門が理解を示し、前向きに検討してくれました。お客様側も、和歌山の運送業者の社長が関西から宇都宮まで往復してサーバーを運んでくれるというダイナミックな調整を行いました。
「間に合わないかもしれないという不安より、行けるということだけを見て動いていました。お客様のサーバーは何とか週末に稼働できました」
この経験から学んだのは、「何かなくても、ある程度アクションしておくことが、のちに繋がる可能性がある」ということでした。データセンターを事前に見学してもらっていた。そうした関係作りが、危機的状況での決断を後押ししたのです。
体当たりの英語プレゼン──グローバル展開への挑戦
2023年、中井氏は新しい挑戦に直面しました。2026年1月に運用開始するコネクティビティデータセンターへの誘致活動がスタートし、海外事業者もターゲットにすることになったのです。
4月、オーストラリアから幹部が来日。英語でプレゼンすることになったが、資料を英語に直すだけでも時間がかかりました。
「当時はもう、本当に体当たりでした。でも、熱意が伝わったみたいです」
他社が通訳をつけて対応する中、自社の人間が必死に英語で説明する姿は、相手の記憶に残りました。その後、社内で英語の啓蒙活動を始め、イングリッシュパーティーなども開催するようになりました。
「やればできるなと思いました。これが社内にとって、英語に取り組む第一歩になったかもしれません」
この体当たりの英語交渉経験が、今回の国際通信事業参入という大きな決断を支える土台となっています。
新しいことへの挑戦──メンバーの前向きさが会社の強み
中井氏が考える自社の強みは、「何とかしようとするメンバーの前向きさ」です。
「少しはみ出してみようとか、もうちょっと頑張ってみようというところ。チャレンジ精神ですね。最近では特に新しい領域に携わるメンバーも増えてきています」
この姿勢は、中井氏自身の原点にも通じています。子どもの頃は「あちこち勝手に行く」「人懐っこい」子どもだったという。外で遊ぶのが好きで、裸足で駆け回っていました。その好奇心と行動力は、今も変わらず彼の中に息づいています。
営業の若い世代からは、何でも頼れる人というイメージで慕われています。前向きで、初対面の人にも壁を作らず話すところが評価されています。
後ろ向きなことは言わない──マネジメントの哲学
マネジメントにおいて、中井氏が心がけているのは「後ろ向きなことは言わない」ことです。
「大変なことも、後から振り返ればほとんどいい経験になっています。次はこうしようという学びになる。だから、あまり否定的なことは言わないようにしています」
家でも外でもキャラを変えない。会社で厳しく、家では優しいということもない。前向きに物事を捉える──それが中井氏の一貫したスタイルです。
合気道とオランダ人──点と点がつながる
東京転勤後、中井氏は合気道を始めました。未経験からのスタートです。
「海外の人と仕事で関わることもあるし、日本的なものをやりたいと思いました。それに、新しいコミュニティに入りたかった。合気道は試合がなく、奥深い動きをするのが面白いんです」
始めてみて驚いたのは、海外に合気道愛好者が多いこと。教わっている先生の師匠がオランダ人でした。そして韓国出張の懇親会で、たまたま話したオランダから来た企業の人が「3年前に合気道を始めた」と言い、お互いにオランダ人の師匠の写真を見せて会話が弾みました。
「不思議な繋がりができるものですね。健康のためと思っていましたが、もう少しいろんな効果があるのかもしれません」
この国際的な繋がりへの開かれた姿勢が、今回のシンガポールへのグローバル展開を象徴しています。
「1億年続く水と緑の地球」というビジョン
以前行われた管理職を対象にしたワークショップで、中井氏は「30年後に目指したいオプテージの姿」を描きました。
「自然環境の創造とウェーブレスコミュニケーションを提供するグローバルカンパニー。世界の緑化と、距離や時間、場所を選ばないコミュニケーションが実現している未来です」
絵のタイトルは「1億年続く水と緑の地球include Moon(インクルードムーン)」。月まで緑になっている、そんな世界を描きました。
なぜこのビジョンなのか。当時、海外事業者との関わりが増え、関西だけでとどまる会社ではなくなると感じていました。
「環境がよくなって、水も空気も綺麗で、健康に暮らせる。テクノロジーから少し開放されて、程よい刺激がある生活。そんな世界になればいいなと思います」
2025年9月に発表された国際通信事業への参入は、まさにこのビジョンの実現へ向けた具体的な一歩です。2028年度から日本とシンガポール間の国際通信を開始することで、中井氏の描く「グローバルカンパニー」という未来へ、会社全体が動き出しています。
つながりが生む未来
中井氏の人生には一本の軸が通っています。それは「新しいことへの好奇心」と「人との繋がりを大切にする姿勢」です。
フィーリングで選んだ会社で、震災という危機に直面し、チームで乗り越えました。英語という壁にぶつかり、体当たりで挑戦しました。東京で合気道を始め、思わぬ国際的な繋がりが生まれました。そして今、日本とシンガポールを結ぶ国際通信事業という新たなステージへ──そのすべてが、1億年続く緑の地球というビジョンへと収束していきます。
オプテージは、総合情報通信事業者として、グローバルなデータセンター間相互接続サービスの提供を通じ、豊かな未来の実現を目指してまいります。SAJ40周年という節目の年に、こうした長期的視座を持つ人材がIT業界に存在することは、業界全体にとって大きな示唆となるでしょう。通信インフラは単なる「つながり」の技術ではなく、人と自然、そして未来をつなぐ架け橋なのです。
【プロフィール】
中井義久(なかい・よしひさ)株式会社オプテージ
データセンタービジネス推進部・部長。京都府出身。大学卒業後、ケイ・オプティコム(現オプテージ)に入社。データセンター事業の営業として、東日本大震災時には3日間でのサーバー移転という緊急対応を成功させる。その後、海外事業者との英語交渉、グローバル展開への挑戦を経て、現在は来年1月開設予定のコネクティビティデータセンターへの事業者誘致活動に従事。2024年、東京転勤を機に合気道を始め、国際的な繋がりの面白さを実感している。「1億年続く緑の地球」というビジョンを掲げ、通信インフラを通じた持続可能な社会の実現を目指す。
【一般社団法人ソフトウェア協会】
一般社団法人ソフトウェア協会(略称:SAJ)は、ソフトウェアに関わるあらゆる企業、団体、個人を繋ぎ、デジタル社会の実現を推進する業界団体で、800社以上にご加入いただき、創立40周年を迎えることができました。これからもソフトウェアの未来を創造し、国内外のデジタル化推進に貢献してまいります。
現在会員でない企業様も入会後、本インタビュー企画に応募することが可能です。
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一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ)事務局お問い合わせページ:https://www.saj.or.jp/contact/
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【関連リンク】
インタビュー記事全文: https://www.saj.or.jp/40th_branding/heroes_optage
本企画のインタビュー記事一覧: https://www.saj.or.jp/40th_brandin
SAJ 40周年記念サイト: https://40th.saj.or.jp/
一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ):https://www.saj.or.jp/
株式会社オプテージ様 公式サイト: https://optage.co.jp/