さまざまなパワーエレクトロニクス機器への組み込みニーズに対応、低消費電力化に貢献

トレンチ型SiC-MOSFETを製造したウエハ(左)とサンプル提供を開始するチップ(右)(イメージ)
三菱電機株式会社は、EV(電気自動車)のトラクションインバーター(※1)やオンボードチャージャー(※2)、太陽光発電等の再生可能エネルギー用電源システムなどの、パワーエレクトロニクス機器に使用可能なトレンチ(※3)型SiC-MOSFET(※4)チップ、4品種のサンプル提供を1月21日に開始します。これらのパワー半導体チップを新たにラインアップすることで、さまざまなパワーエレクトロニクス機器へのパワー半導体チップの組み込みニーズに対応し、低消費電力化と性能維持に貢献します。
なお、本製品は「第40回ネプコンジャパン エレクトロニクス開発・実装展」(1月21日~23日、於:東京ビッグサイト)をはじめ、北米、欧州、中国、インド等で開催される展示会へ出展予定です。
近年、脱炭素社会の実現に向けて、パワーエレクトロニクス機器の市場拡大が見込まれています。EVのトラクションインバーターや、太陽光発電等の再生可能エネルギー用電源システムなどのパワーエレクトロニクス機器は、性能や品質の向上に向けさまざまな仕様が増えており、それに伴い機器に使用されるパワー半導体を、チップとして組み込む要望が増えています。
当社は、電力損失の大幅な低減が可能なSiCパワー半導体モジュールを2010年に製品化して以来、エアコンや産業用機器、鉄道車両のインバーターシステムに採用され、家電や産業用機器、鉄道車両の低消費電力化に貢献してきました。
今回、さまざまなパワーエレクトロニクス機器へのパワー半導体チップの組み込みニーズに対応するため、新たに、パワー半導体「トレンチ型SiC-MOSFETチップ」をラインアップします。新製品は、既存のトレンチ型SiC-MOSFETチップ(※5)と同様、当社独自構造を採用したトレンチ型SiC-MOSFETにより、プレーナー型(※6)SiC-MOSFETと比較して電力損失を約50%低減(※7)することに加え、当社独自のゲート酸化膜製法などの製造プロセス技術により、電力損失やオン抵抗などの変動を抑制し長期間使用時における品質の安定性を実現します。これらの技術を適用した仕様の異なる4品種のパワー半導体チップをラインアップすることで、EVのトラクションインバーターやオンボードチャージャー、太陽光発電等の再生可能エネルギー用電源システムなどさまざまなパワーエレクトロニクス機器などへの組み込みが可能となり、機器の低消費電力と性能維持に貢献します。
■新製品の特長
1.新たに4品種のトレンチ型SiC-MOSFETチップをラインアップし、さまざまなパワーエレクトロニクス機器への組み込みニーズに対応
・既存のトレンチ型SiC-MOSFETチップ(※5)に加え、使用範囲を広げるチップ4品種を新たにラインアップし、EVのトラクションインバーターやオンボードチャージャー、太陽光発電等の再生可能エネルギー用電源システムなどの、さまざまなパワーエレクトロニクス機器へのパワー半導体チップの組み込みニーズに対応
2.既存のトレンチ型SiC-MOSFETチップと同様の独自構造を採用し、パワーエレクトロニクス機器の低消費電力化に貢献
・Siパワー半導体チップの製造で培った微細化技術を活用したトレンチ型を採用することで、従来のプレーナー型に比べオン抵抗を低減
・当社独自構造の斜め方向からのイオン注入方式を採用することで、従来の垂直方向からのイオン注入方式と比べ、スイッチング損失を低減
・オン抵抗とスイッチング損失の低減により、プレーナー型SiC-MOSFETと比較して電力損失を約50%低減(※7)し、パワーエレクトロニクス機器の低消費電力化に貢献
3.既存のトレンチ型SiC-MOSFETチップと同様、独自の製造プロセス技術を活用し、パワーエレクトロニクス機器の性能維持に貢献
・プレーナー型SiC-MOSFETやSiC-SBD(※8)に関する20年以上の研究、製造実績で培ったSiC独自の工程管理や、当社独自のゲート酸化膜製法などの製造プロセス技術を、トレンチ型SiC-MOSFETに活用。スイッチングオン、オフ動作の繰り返しによって発生する電力損失やオン抵抗などの変動を抑制し、長期間の使用における品質の安定性を実現。パワーエレクトロニクス機器の性能維持に貢献
■製品仕様

■三菱電機グループについて
私たち三菱電機グループは、たゆまぬ技術革新と限りない創造力により、活力とゆとりある社会の実現に貢献します。社会・環境を豊かにしながら事業を発展させる「トレード・オン」の活動を加速させ、サステナビリティを実現します。また、デジタル基盤「Serendie(R)」を活用し、お客様から得られたデータをデジタル空間に集約・分析するとともに、グループ内が強くつながり知恵を出し合うことで、新たな価値を生み出し社会課題の解決に貢献する「循環型 デジタル・エンジニアリング」を推進しています。1921年の創業以来、100年を超える歴史を有し、社会システム、エネルギーシステム、防衛・宇宙システム、FAシステム、自動車機器、ビルシステム、空調・家電、デジタルイノベーション、半導体・デバイスといった事業を展開しています。世界に200以上のグループ会社と約15万人の従業員を擁し、2024年度の連結売上高は5 兆5,217 億円でした。詳細は、www.MitsubishiElectric.co.jpをご覧ください。
※1 EV/HEVの「駆動(トラクション)モーター」を直接駆動するための電力変換装置
※2 EV/PHEVに搭載されている充電装置の一つ。車両の内部に組み込まれており、外部から供給される交流電力を直流電力に変換し、バッテリーに充電するためのもの
※3 ウエハの表面から溝(トレンチ)を掘り、ゲート電極を埋め込んだ構造
※4 Silicon Carbide:炭化ケイ素
Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ
※5 2024年11月12日広報発表 https://www.MitsubishiElectric.co.jp/ja/pr/2024/1112/
※6 ウエハの表面にゲート電極を設けた構造
※7 既存の同一定格電圧のプレーナー型MOSFETとしきい値電圧を揃えたうえでオン抵抗を比較した場合
※8 Schottky Barrier Diode:半導体と金属の接合部に生じるショットキー障壁を利用したダイオード
※9 Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment
<お客様からのお問い合わせ先>
三菱電機株式会社 半導体・デバイス第一事業部 事業戦略部
〒100-8310 東京都千代田区丸の内二丁目7番3号
https://www.MitsubishiElectric.co.jp/semiconductors/powerdevices/contact/
<ウェブサイト>
パワー半導体デバイスウェブサイト
https://www.MitsubishiElectric.co.jp/semiconductors/powerdevices/